アメリカでは夏を控え、化粧品やサンスクリーンなどのビューティ/パーソナル・ケア製品のキャンペーンが真っ盛り。安全・健康志向が年々高まりオーガニック食品が売れていると本コラムで以前特集したが、同様に自然素材を使ったパーソナル・ケア商品も売上を伸ばしている。リサーチ会社Klineによると、2016年パーソナル・ケア製品の「ナチュラル/オーガニック」部門の総売上額が57億ドルと前年対比9.2%増となっている。こうした背景からオーガニック素材を訴求したキャンペーンを展開する企業が増えている。

女優ジェシカ・アルバがプロデュース 化学品未使用、自然素材の化粧品/スキンケア
(1)Honest Company「Éclair Naturals」

Honest Companyの「Éclair Naturals」の雑誌広告。ナチュラルでオーガニック成分のみでつくられた化粧品のメインヴィジュアルは、裸の女性モデルに「Never Any GMO's(遺伝子組み換え物質は絶対に使わない)」などのメッセージを書き込んだもの。

Honest Company社の100%オーガニック化粧品「Éclair Naturals」販促ビデオのメイキング篇。
Honest Companyは女優ジェシカ・アルバを中心に2011年に設立された会社。当初は母親になったばかりのアルバ氏が子供に安全なベビーケア用品を開発・販売していたが、2016年には大人用に有害物質を含まない自然素材でつくられた化粧品/スキンケア・ブランド「Éclair Naturals」(1)の販売を開始した。そして今春から本格的に同ブランドの広告活動をSNSや雑誌広告を中心に展開している。
キャンペーン"Never Any"は「Éclair Naturalsにはどんな(Any)化学薬品も、絶対に(Never)含まれません」という意味である。CMOのシャロン・オーリシーノ氏は「本キャンペーンの目標は、情報公開による当社の透明性の証明と、皆さんが使用している化粧品に含まれている化学品を公表し消費者を教育することです」とメディアポスト誌オンライン版に述べている。
Marie ClaireやIn-Styleなどに出稿された雑誌広告のメインヴィジュアルは、裸で横たわるモデル女性の体にボディペイントで"Never any GMO’s"(いかなる遺伝子組み換え物質も絶対に使用しない)などと書かれたもの。
ほんのわずかな化学品も含まない 100%ナチュラルな化粧品
YouTubeの動画では「欧州各国が過去10年間に禁止した化学品は約1400種類。カナダでは約600。アメリカでは10 ...