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米国広告マーケティング事情

「母の日」を前に多種多様な母親を支援する米企業キャンペーン

松本泰輔

ユニリーバ社は3月、ビューティケア「Dove」の新製品ラインアップとして、赤ちゃんの繊細な肌に合わせて開発された石鹸・ローション・ワイプ・おむつ用クリームの「Baby Dove」(1)をローンチした。

そして現在、乳児ケア市場トップのジョンソン・エンド・ジョンソン「Baby」のシェアを奪おうとソーシャルメディアを中心にキャンペーンを展開中である。4月から5月にかけて各企業が「母の日」テーマでキャンペーンを行う時期であるが、Baby Doveは多種多様な母親こそ真の母親であると訴求する。

昔ながらの「完全な母親」 その概念は時代遅れ?

Doveが6000人を超えるアンケートからまとめた調査によると、回答者の90%が「パーフェクトな母親になるためプレッシャーを感じる」と答えている。その一方で「メディアで語られているような理想の母親になれると思う」と考える人はわずか26%だった。また「完全な母親」というステレオタイプな概念は現代の母親にとって時代遅れで、それを危惧しているという人が84%もいた。

そういった背景から企画されたのが「Real Moms(真の母親たち)キャンペーン」だ。これには「完全な母親などいない。肩の力を抜いて自分らしい母親になることが真の親」というメッセージが込められている。

Dove担当副社長ニック・ソーカス氏はキャンペーンの目的について「他ブランドにおいても(広告で)育児について、実在の親が現代的で最新の見解を語る機会が増えている。当社では『自分らしく、ありのままの親でいること、それが育児の現実』ということを伝えたい」とアドエイジ誌に述べている。

「完全な母親」はいない 「真の母親」がいるだけ

4月5日に公開されたYouTubeビデオには、専業主婦、牧場経営者、ロッククライマー、ダンサー、トランスジェンダー、シングルマザーなど育児に奮闘する7人のママが登場する。

「おばあちゃんたちは自分たちがやってきたやり方を押し付けるけど、育児するのは私」「この子は他の子と違う環境(牧場経営家族)に生まれてきたのだから、育児方法も異なるのは当然」「私(夫)が性転換し『二人のママ』になったけど血がつながった親子」「いいママになるために一つではなく、無数の方法がある」「周囲の意見に惑わされず、自分自身を信じて、自分の思うような母親になればいい」など独自の意見を語る母親たち。

環境や育児方法は異なっても、それぞれが「いいママ」には変わりない、というメッセージだ。Twitterにもメッセージに共感する他の母親たちから「#RealMoms」のハッシュタグ付きのつぶやきが溢れている ...

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