アジア太平洋地域で展開されたマーケティング・コミュニケーション活動を、その効果・成果で評価する広告賞「アジア太平洋エフィー賞」。2017年は、最高賞のグランドエフィー以下、ゴールド15点、シルバー21点、ブロンズ34点の計71点が受賞した。ここでは、グランドエフィーと、ゴールド受賞作のうち4点を紹介する。
01 最高賞 グランドエフィーは
ビール会社のニュービジネスが獲得
DB Export「Brewtroleum」
「Awarding Ideas that Work.(効果のあるアイデアを賞賛する)」というスローガンを掲げるエフィー賞は、エントリーされた作品の評価軸として「効果」を最も重視することで知られるアワードだ。
マーケティング・コミュニケーション施策の実施エリアによって、グローバルエフィー、アジア太平洋エフィー、ヨーロッパエフィー、中東/北アフリカエフィー、および40以上の国と地域のローカルエフィーで構成される。アジア太平洋エフィー賞は、APAC地域で展開されたキャンペーンが対象となる。
審査項目は「戦略的挑戦&目標設定」「アイデア」「アイデアの実行」「効果」の4つ。審査比重は「効果」が30%、ほかの3項目が各23.3%となっている。審査員は、広告主、メディア、デジタル、クリエイティブ、アカウント、プランニングとさまざまな立場のプロフェッショナルが揃い、リアルな広告・コミュニケーションビジネスの現場が再現されている。
本アワードで今年、最高賞のグランドエフィーを受賞したのは、カンヌライオンズやスパイクスアジアをはじめとする国際広告賞でも圧倒的な強さを見せている、ビールブランド「DB Export」が販売したバイオ燃料「Brewtroleum」だ。
ビール製造時の副産物でバイオ燃料を生成し、さらにそれをGull社のガソリンスタンドで販売するところまでのエコシステムを構築した。Brewtroleumは、従来のガソリンに比べCO2排出量を8%削減でき、輸入燃料への依存度も低減することができるという。DB Exportのビールを飲むことが、地球を守ることにつながる――ニュージーランドの人々に、ビールを飲む画期的な理由を与えたというわけだ。
DB Exportはこれまでに、5万8000トンにのぼる副産物を30万リットルのバイオ燃料に転換し、国内60以上のガソリンスタンドで販売してきた ...