新聞の読み方や購読のメリット伝える
新入社員研修で、記者が新聞の読み方を教える─。今、NIB(Newspaper in Business=ビジネスに新聞を)という取り組みが全国で広がっている。情報収集力や分析力、コミュニケーション力といった能力養成をアピールポイントに、新聞の読み方や文章の書き方など、具体的な仕事の場面を想定した新聞活用術を伝えている。読者開拓につなげるため、新聞購読をプログラムに組み込み、仕事に役立つ活用法を学んでもらう事例も増えている。
新聞業界は30年以上、NIE(Newspaper in Education=教育に新聞を)活動に取り組んできた。学校などで教材として新聞を使おうという取り組みで、新聞社は記者を派遣して授業をしたり、新聞を使った学習教材をつくったりとさまざまな工夫を積み重ねている。未来の購読者をつくるこの取り組みは今、多くの教育現場で実践されている。NIBはいわば、この活動を社会人にも広げようというものだ。
新潟日報社は3月28日、県内の警備会社の新入社員向けに出前講座を開催した。同社初のNIB講座では、「気になる記事に印を付けながら全体に目を通してほしい。1日20分でできる」といった具体的な読み方や、「地元の経済情報に強く、仕事にも役に立つ」など購読メリットを語った。このほか、十勝毎日新聞社、上毛新聞社、下野新聞社、琉球新報社でも同様の取り組みが2017年から始まった。今春から、新聞各社でNIBを強化するための機構改編が相次ぐなど、今後もさらに広がりそうだ。
強みは何よりも、第一線で活躍する記者を派遣できる点だ。特に、地方の企業からは、地域経済に詳しい記者の引き合いが大きいという ...