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広告と販売 成功の因果関係

売上に影響を及ぼす多様な要因―販売との因果関係を解明するプロセスとは?

購入に至るまでの消費者の態度変容プロセスの中でも、テレビCMをはじめとしたマス広告は、態度変容の初期の段階、ブランド認知などに寄与しているケースが多く、それがあって、最終目標である売上との因果関係の解明を困難にしてきました。店頭販促・価格、季節、競合他社の動きなど多様な影響要因がある中で、広告だけの効果を測定することはできるのでしょうか。

広告以外の影響要素を取り除いて、適切な測定を

広告が売上に及ぼす影響を評価する上で最も重要なポイントは、広告以外の売上に影響した要素を取り除くことである。従来の広告効果測定では「広告を出稿した月で○%の売上があった」、「広告を見た人のうち○%が購入した」などのデータをもとに、売上に及ぼす影響を評価することが多い。この場合、「広告がなくても売れている分」を取り除けていないことが大きな課題である。「広告がなくても売れている分」も含めて、広告の効果を過大評価してしまっている。

野村総合研究所では、シングルソースデータという調査手法を使って、広告が売上に及ぼす効果を科学的に評価している。シングルソースデータとは、同一の調査対象者に対して、メディア接触、商品の購入意向・実態などを調査しているもので、メディアの接触の有無別に、同一人物の事前・事後の態度変容を見ることで、メディア別の真の広告効果を測定する考え方である。

図表1 シングルソースデータによる評価

図表1がシングルソースデータによる評価の基本的な考え方である。テレビCMに接触した人が、対象商品を購入している割合が21.4%から24.9%に増えている。この増分である「+3.5%」がテレビCMの接触による購入の増分であり、もともと、テレビCMに接触する前から購入していた21.4%という割合を除いて評価している。

さらに、同時期に値引きなどの店頭施策が行われていた可能性があり …

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