マーケティング力の高い企業はどう見ている?広告の投資効果と投資効率―ソフトバンク
販売実績につながる広告とは、どんなものか?広告効果を評価する際に重視しているパラメーターとは?広告・コミュニケーション部門を長く経験してきた立場、また長期的な視座でブランドビルディングを担っている立場の2人にインタビューしました。
広告と販売 成功の因果関係
宣伝部門の活動の意義・成果を社内に示し、理解を得る。
その難しさは、業種を問わず多くの宣伝パーソンが通感してきたことではないでしょうか。
説明責任を果たし、その企業・ブランドらしい宣伝活動を実現させてきた担当者に、解決の糸口となるヒントを聞きました。
本年7月をもってトヨタ自動車を退社し、フリーのマーケターになることにしました。ちなみにトヨタでの31年間の約半分は宣伝関係の業務に携わっていました。宣伝の仕事は華やかである反面、社内の理解を得ることに苦労するのは、どこの会社でも同じではないでしょうか。
高田敦史
たかだ・あつし/一橋大学商学部卒。1985年トヨタ自動車入社。宣伝部、商品企画部、海外駐在(タイ、シンガポール)等を経て、2012年からレクサスブランドマネジメント部長。本年7月に退社。マーケティングアドバイザーとして独立。
多くのメーカーの商品開発は厳しいコスト計算に追われています。自動車の場合でも1円単位で部品単価の削減を迫られている中で、何千万、時には何億円単位で宣伝費を使っている部署に腹が立つ気持ちも、まあ分からないわけではありません。また、事務系の部門の中でも、日本の会社は営業部門の力が総じて強いので、宣伝部員は「そんなに広告費を使ってどのくらい売れるんだ」という質問を度々受けることになります。皆さんの多くも、そうした経験があるのではないでしょうか。
一般的に言えば、短期的な販売を伸ばすだけなら、いわゆる「販促施策(値引きや販売員のコンテスト)」のほうに軍配が上がります。一方、宣伝活動は短期的な販売促進のみならず、中長期的なブランド構築においても重要な役割を担っているはずなのですが、このことを宣伝部の方々自身も理解しておかないと、社内の販売系の会議で責められて答えに窮することになります。…