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研究室訪問

小売企業の競争力を高めるID-POSデータの活用可能性

日本大学

マーケティング・メトリクス
田村正紀/著

金准教授のお薦めの1冊は『マーケティング・メトリクス(』日本経済新聞出版社刊)。ビジネススクールのクラスではテキストとしても使用。「データ活用に関する実務書は辞書的な説明に終始するものが多い中、数字の背景まで説明されている点がとても参考になる」と話す。

収益拡大につながらないポイントカードプログラム

本来、顧客のロイヤリティ向上とそれに伴う、競争優位性を確保するために導入されてきた小売り・サービス業のポイントカードプログラム。しかし、日本大学商学部の金雲鎬准教授はポイントカードを導入しても競争優位につながらず、収益拡大につながっていない企業が多い状況に関心を抱き、約3年前から継続して、研究テーマとしてきた。「競争優位を得るためのポイントカードだったはずが、どこの企業もカードを発行している状況では、差別化要素にならず、コストがかさむだけに終わっている企業も多いのが現状です」と指摘する。

しかし、ここ数年でポイントカードを取り巻く環境を大きく変える波が生まれている。それがID-POSの浸透だ。従来のPOSデータに…

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