言葉はブームを作り出す
「女子」、「婚活」、「イクメン」、さらには「ブラック企業」…。ある現象に名前がつくことで、その現象自体がブームになったり、あるいは世の中に定着していく。「言葉は人がモノを見る際のレンズになる存在」と一橋大学商学研究科の松井剛教授は話す。
マーケティングを専攻する松井教授は90年代後半から2000年にかけて日本国内で起こった「癒し」ブームを研究。その中で癒しという“言葉”に着目したことから、言葉と市場創造、マーケティングの関係に興味を抱くようになった。
「癒し」ブームの研究では、意味、言説、行動の3軸でこの現象に迫った。「大宅壮一文庫の雑誌データベースから、『癒し』という言葉の入った記事タイトルを集め、テキストマイニングにかけて意味を分析すると同時に、癒しが世の中でどのように語られていたのかという言説、さらにこのブームに合わせて各業界がどのような活動をしたのかという行動の3軸から分析した」と松井教授は説明する。
言葉をつくる業界にも注目
現在は「女子」という言葉をテーマに、 ...
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