日本唯一の広報・IR・リスクの専門メディア

           

企業ブランディング 求心力を生む新たな取り組み

企業ブランドがイメージを向上させる好機とは 社会の変化に対するセンシング能力を磨く

古川裕康氏(明治大学 経営学部 准教授)

周年、代表の交代、事業拡大など、さまざまなきっかけで企業はリブランディングに踏み切る。明治大学の古川裕康准教授が企業のブランドイメージ向上に寄与するブランディングのタイミングについて、事例をもとに体系的に考えを語る。

ブランディングのタイミングは
「市場導入段階」、「拡張展開段階」、「修正段階」の3つ

“イメージ”は企業に極めて重要な影響をもたらします。現在、私は日本経済新聞社や日経広告研究所の協力を得て「日経企業イメージ調査」のデータを20年分利用しながら分析をしていますが、企業イメージがポジティブなものへ向上すると数年後に企業の収益へ遅延効果としてプラスの影響が出ることを確認しています。イメージは目に見えない存在ですが、我々の行動に密接に関わっている存在なのです。

企業によるブランド管理活動、特にイメージ展開はよく航海に例えられます。目的地を定め、そこへ行くための道具を決めるというプロセスが類似しているからです。隣の港へ行くだけなのか、少し離れた場所まで行くのか、それとも太平洋を越えて遠洋するのか。それぞれに必要な船、動力源、人材、食料等は全く異なります。もちろん航海の途中で想定外のアクシデントも必ず生じることになりますから、海上で目的地を変更することもあります。嵐の中で、使う道具を変えながら航行することもあるでしょう。

VUCAと称される現代、様々な不確実性や地政学的リスクが存在しています。そのような中でブランド管理活動やイメージ展開においても想定外のことが襲い掛かります。当初ゴールとした地点を目指しながらも、途中でマーケティングの内容を修正することも生じます...

あと80%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

企業ブランディング 求心力を生む新たな取り組み の記事一覧

なぜ今、企業ブランド向上が必要か 社会の目線での存在意義を見つめ直す
JTB35年ぶりのグループリブランディング 「旅行会社」からの企業イメージ変革の鍵とは
地元・北見の雇用創出にも貢献 環境大善の約5年にわたるプロジェクト
中小企業のコーポレートブランド生成 ベースのモデルは「1対1型」にあり
PRONI、世界観を伝える要は従業員による「熱狂的なエピソード」の積み重ね
hacomono、MVV体現する社内イベントで従業員の行動変容促す
企業ブランドがイメージを向上させる好機とは 社会の変化に対するセンシング能力を磨く(この記事です)
インターナル施策を社外コンテンツにも活用「社員が主役」のJAST創立50周年企画
社内コミュニケーションに注力したネスレ日本の110周年企画
人手不足時代にいかに魅力を発信するか 採用ブランディングの基本と広報の役割
ブランディングに貢献する サステナビリティ情報開示の勘所とは
「社会課題の解決」をポジティブに 社外を巻き込む企業姿勢の伝え方
偽造情報やディープフェイク 企業ブランドを毀損する新たなリスク
広報会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する