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事例に学ぶ「マーケティングPR」

姿勢をサポートするぬいぐるみ「ふんばるず」話題化の変遷に迫る

ドリームズ

新しい切り口のブランドを生み出しSNSでバズを生んでも、立ち上げ時のみ話題化するのではブランドの長期的な成長は難しい。商品展開やメディア露出、ユーザーとのコミュニケーションなどにより長く愛されるブランドを目指す事例を紹介する。

2023年2月1日にドリームズはぬいぐるみシリーズ「ふんばるず」を発売した。2023年11月末日時点で、累計販売数12万6000個を突破した「ふんばるず」が、販売開始からこの1年でどのように話題化し、広まっていったのか。同社で広報、広告宣伝などを担うマーケティング部の川島大志氏と玉城桃佳氏に聞いた。

「毎日手に取りたくなる」を目指す

「ふんばるず」はデスクワークの際などに、机とおなかの間に挟むことで姿勢をサポートするという特徴を持つぬいぐるみ。第1弾発売時には4種の動物からスタートした同シリーズだが、この1年の間でバリエーションを増やし、2023年12月末時点で約30種もの商品を展開している。

生活雑貨、アパレルの企画製造販売を行うメーカーであるドリームズでは、フィギュアや入浴剤、モバイルアクセサリーなど、さまざまな商品を取り扱っているが、すべてに共通しているのが「生活に癒しを届けたい」という商品開発のコンセプトだという。

「新しい商品ジャンルの開拓ということで、ぬいぐるみに挑戦したいという話は5年ほど前から出ていました。当時は製造面に課題があり時間がかかってしまったのですが、この数年で製造できる環境が整ったため満を持して商品化に至りました」と川島氏は話す。

同社として初のぬいぐるみを開発するにあたり企画チームが心掛けていたのは“毎日使いたくなるぬいぐるみ”だった。

「当社では主なターゲット層を25歳前後の働く女性としています。ターゲットがデスクで仕事をする際に使用できるぬいぐるみがあれば、毎日手に取っていただけると考えました。また、姿勢をサポートする健康雑貨は世の中に多くありますが“可愛さ”を重視したものは少なく、人前では使いづらいという声が社内であがりました。オフィスワーク中など他の人が見ている環境でも使いやすく、毎日使いたくなる物という切り口から、姿勢をサポートする機能性×ぬいぐるみという掛け合わせをした商品をつくることにしました」(川島氏)。

SNSを通して海外で話題に

「ふんばるず」発売時には、プレスリリースの配信、ブランドサイトの立ち上げ、SNSでの情報発信を主な広報活動として実施。まずはデジタル上でブランドの世界観を伝えることを目指したと玉城氏は話す。

「『ふんばるず』の中にはハート型のクッションが入っており、このクッションで姿勢を支えているのですが、このような機能的な面以外に、『ふんばるずたちは人の姿勢をサポートする思いやりの心を持っている』というコンセプトがあります。ブランドサイトやSNSではこのコンセプトも重点的に発信しました。また、『ウサギのホップは甘えん坊』『クマのブラウニーはしっかり者』など各キャラクターに名前や性格も設定。情報を見た方が、自分に合うキャラクターはどれかと楽しみながら考えられる工夫を施しました」。

このように主にデジタル上での情報発信に注力したところ、SNS上で話題が拡散されていった。なかでも、中国、フランス、タイなどの海外で大きな話題となり、このような反響は当時同社も予想していなかったという。

「発売時は、多言語で情報発信を行っていたわけではないのですが、ユーザーの方の発信を通して自発的に広まっていきました。当時は国内よりも海外の方が売上比率も高い状態でした」と川島氏は振り返る。

このように海外で大きな話題となったことに、日本国内のマスメディアが注目。TBSテレビ『王様のブランチ』やフジテレビ『めざまし8』などのテレビ番組で取り上げられるようになり、それに伴って国内の売上も上がっていった。

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