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事例に学ぶ「マーケティングPR」

森永乳業「クラフト 魚Chee」のユニークな施策とストーリー設計

森永乳業

森永乳業が開発した「クラフト 魚Chee」は、オンライン会議やAIなど、時代の流れに沿ったツールを活用したユニークな施策を多数実施。同時に、それらの施策のインパクトだけに頼らない発信を行った同社の広報戦略について聞いた。

森永乳業は、「クラフト 魚Cheeウオチ―燻製カツオ」「クラフト 魚Cheeピリ辛マグロ」を2023年4月1日に発売した。

「クラフト 魚Chee」はビールとの相性にこだわったひとくちサイズの切れてるチーズだ。「クラフト 魚Chee」の構想はコロナ禍の2020年に、家飲みが急増したタイミングで生まれた。酒やおつまみの市場が伸長した一方、直食系のチーズ商品はほぼ伸長しなかったという。

「伸び悩んだ原因のひとつとして、チーズと組み合わせるのはワインというイメージが強いため、それ以外のお酒と合わせるイメージが弱く、また実際にワイン以外のお酒との相性を満たし切れる商品が少ないのではないかという仮説が社内であがりました。この仮説のもと、開発をスタートしたのが『クラフト 魚Chee』です」と広報IR部 広報グループの渡辺光典氏は話す。酒の中でも飲用量が最も多いビールとの相性の良さに特化したチーズが市場にほとんどないことに着目し、同社は企画を開始。構想から発売に至るまで、約2年半かけて「クラフト 魚Chee」は完成した。

晩酌の体験をより良いものに

発売時はプレスリリースなどを通して情報発信をしたほか、ユニークな施策も実施。その中で「クラフト 魚Chee」が注目されるきっかけとなったのが「武勇伝聞いてくれる会議」だ。この施策は、特設サイトに用意された参加者リストから話を聞いてほしい3人を選び「入室する」ボタンを押すとオンライン会議が始まり、選択した3人の参加者(録画)がひたすら頷いたり相槌をうったりしながら話を聞いてくれるというサービスとなっている。

「当初、自宅での晩酌の実態に関するお客さま調査をする中で、ビールのつまみにわびしさを感じている人が...

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