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危機を乗り越える広報対応

炎上時のSNS活用メリット・デメリットプレスリリースとのすみ分けは?

山口真一 (国際大学グローバル・コミュニケーション・センター)

炎上が発生した際、公式見解などをSNSで発信するケースも増えてきた。どのような手段で発表するかは、不祥事のレベルによるが、SNSを活用するのに有効なのはどういった場合だろうか。SNSの利点・欠点を踏まえて見極めたい。

文/山口真一 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授・博士(経済学)

不祥事や炎上などが起こらないに越したことはないが、どんなに対策をしていても起こってしまうこともある。そうした場合の対応では、ウェブサイトでプレスリリースを出すなど様々な方法があるが、近年多くのケースで用いられるのがSNSの活用だ。

SNSを適切に活用すれば情報が迅速に・広く伝わり、大きな効果を得ることができる。他方、SNSを使ったことでむしろ炎上がより激化することもある。本稿では、炎上・不祥事対応でのSNS活用について論じる。

SNS活用のメリット

炎上・不祥事時の情報発信でSNSを活用するメリットとして、下記が挙げられる。

①情報伝達の迅速性

企業のウェブサイトのリリースでは、見てくれる人はかなり限られる。しかしSNSは高い拡散性とリアルタイム性を持っているため、発信した内容が急速に拡散されていく可能性がある。そのため、企業は炎上や不祥事といった危機的状況に即座に対応することが可能となる。特に、日頃からSNSを広報に活用していてフォロワー数が多い場合、情報の伝達スピードとリーチの広さは、それに応じて増加する。この特徴は、情報のコントロールと人々の不安の緩和において非常に重要である

   

②インタラクティブ性

企業と消費者との間で直接的な対話が可能となり、これによって信頼関係の構築や誤解の解消、さらには顧客満足度の向上が期待できる。また、双方向のコミュニケーションは、企業にとって貴重なフィードバックを提供し、そのフィードバックをもとに消費者の立場や感情を理解し、消費者が共感するメッセージを作成することも可能である。

③消費者に近い距離での発信

SNSは普段人々が日常的にコミュニケーションをしているツールである。そのため、企業がウェブサイトで一方的にリリースを出すよりも、消費者により近い距離で情報発信することが可能になる。消費者はSNSを通じて企業からの情報を得る際、より個人的で、直接的な印象を受けることが多く、これは危機管理において企業の誠実さや透明性を伝えるのに有効である。

④コントロールされたメッセージの発信

SNSの利用は、企業によるメッセージのコントロールを強化する。炎上時には情報が第三者によって誤って伝えられるリスクが高い。メディアが伝える際に誤解されたり、歪曲されたりすることもある。その点について、SNSを通じた直接的なコミュニケーションをすることで、このリスクは軽減される。企業は自らの言葉で事実を正確に伝え、意図を明確にすることが可能となり、情報の歪曲や誤解を防ぐことができる。また、SNSではメッセージのタイミングや頻度を自由に管理できるため、企業は情報の流れを自らのペースでコントロールし、迅速かつ適切に反応することが可能である。

⑤コスト効率の高さ

伝統的な広報活動や広告キャンペーンに比べて、SNSは低コストで広範囲のオーディエンスに到達する手段を提供する。特に予算制約がある中小企業にとって、SNSは経済的な負担を軽減し、効果的なコミュニケーションを可能にする。企業は特別な制作コストや外部エージェンシーへの支払いを必要とせず、既存の社内リソースを活用して迅速な対応を行うことができる。

⑥継続的な傾聴

SNSを使用することにより、企業は消費者や関係者からのフィードバックをリアルタイムで受け取ることが可能である。これは、炎上の原因や、炎上対応後の反応を迅速に知ることに役立つ。また、反応を直接観察することで、企業は状況の変化に応じて自身のメッセージを適切に調整できる。さらに、SNSは長期的なコミュニケーションを支援するため、単発の謝罪や対応に留まらず、問題の解決とブランド信頼の回復に向けた持続的な対話を行うことができる。これにより、企業は消費者との信頼関係を再構築し、将来的な炎上の予防にもつながる。

⑦SNSで広まった情報を打ち消すのに最適

SNSを使用することにより、企業は消費者や関係者からのフィードバックをリアルタイムで受け取ることが可能である。これは、炎上の原因や、炎上対応後の反応を迅速に知ることに役立つ。また、反応を直接観察することで、企業は状況の変化に応じて自身のメッセージを適切に調整できる。さらに、SNSは長期的なコミュニケーションを支援するため、単発の謝罪や対応に留まらず、問題の解決とブランド信頼の回復に向けた持続的な対話を行うことができる。これにより、企業は消費者との信頼関係を再構築し、将来的な炎上の予防にもつながる。

SNS活用のデメリット

一方、SNSを使うことにはデメリットも存在する。

①情報の誤解リスクの高さ

SNSは情報が速く広まる一方で、短いメッセージやコンテキストが欠けた投稿は誤解を招きやすい。拡散される際には背景などが無視され、たとえ連続で投稿していたとしても一部のみ拡散されてしまうこともある。その結果誤解された情報が、SNSの拡散力で独り歩きしてしまい、炎上を悪化させる可能性がある。情報が瞬間的に拡散するがゆえに、一度広まった誤解をコントロールすることが難しいことも問題になる。

②即時レスポンスの圧力

不祥事があった際には迅速な発表が求められるものだが、SNSアカウントがある場合、より一層迅速なレスポンスを消費者から期待される。「SNSアカウントがあるのにいつまでたっても発表がない」という批判を浴びやすい。しかしながら、十分な事実確認や内部調整を経ずに発信すると、不正確な情報を拡散するリスクがある。

③感情的な反応率の高さと、その可視化リスク

SNSは…

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