コーポレートサイトづくりに求められる「企業らしさ」。しかし抽象的なことが多く、サイトづくりに携わるメンバー間で共通認識を持つのも簡単ではない。独自性の打ち出しにこだわった、ダイヤ工業のリニューアル事例を紹介する。
膝のサポーターなど医療用品を展開する、ダイヤ工業。60期を迎える2022年4月に先立ち、同年2月28日にリニューアルしたサイトを公開した。
刷新後のサイトは、従業員にスポットを当て、「人の温かみ」と仕事への「わくわく感」が伝わる内容を意識。企業への信頼性を重視するばかりに「やや無機質な印象」だったという従来のサイトから大きく変貌を遂げた。
「以前のサイトは10年ほど前に制作したもの。機能面では、新事業などの情報の更新やスマホ対応、採用ページの掲載をしたいと考えていました。そして何より、ブランドや製品の特徴を簡潔に伝えるこれまでの内容から、『当社の社風や独自性、製品への思い』を示し、企業のファンになっていただくことを重視しました」と語るのは、リニューアルプロジェクトのメンバーである、広報部門の藤原舞利子氏だ。
従業員全体の思いの反映を
サイトリニューアルにあたり、2021年4月1日にプロジェクトが始動した。チームメンバーは事業部を跨いだ5人。広報部門の藤原氏と経営企画室Leaderの高田依里氏に加え、IT部門や同社のコア事業部の営業担当など、社内の多角的な知見を取り入れられる体制に。

「様々な部署での経験に加え、自社に誇りを持ちお客様の役に立ちたいというメンバーが集まりました。メンバー皆が常に同じ方向を向けていたのが、サイトリニューアルが上手くいった要因のひとつだと考えています」と高田氏は振り返る。
ただ、メンバーだけでリニューアルを進めると、サイトに反映できるのは5人の思いだけ。企業全体の思いを伝えたいと考えたことから、同年4月半ばに従業員の声を集める社内アンケートを実施した。
社内アンケートの質問項目は、「同社で働いたきっかけ」...