長期にわたるサイト刷新を成功させるためには、あらかじめ、よくある失敗しがちなケースを押さえた上で、その対応策を準備しておきたい。企画・設計・制作のフェーズにおけるポイントを、ウェブ制作会社に解説してもらった。
企画フェーズ(目的・ターゲット・予算設定など)
ありがち失敗➀
企業の独自性の明確化ができていない状況のまま、サイトの企画に着手。ピントがボケた企画になり、ありがちで一辺倒なサイトに。
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予防策
サイト以前の固有性をはっきりさせることで、サイト上でのターゲット設定やシナリオ作成の精度が高まる。特に初めて組むウェブ制作会社と大きなプロジェクトを進める場合、最初から完璧なゴールを一気に目指して取りこぼすよりも、範囲を区切りながらお互いの商習慣や文化を学びつつ、関係性を徐々に深めながら成功体験を積み重ねる方が無理がない。(アンティー・グループ 水野可奈子氏)
ありがち失敗➁
リニューアル目的は「問い合わせの増加」だったのに、メインターゲットを絞り切れず、全ステークホルダー向けに制作。導線やコンテンツが複雑化。
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予防策
リニューアルが始まると多くの関係者から様々な要望が寄せられるが、全て取り込むとサイトの効果を希薄にする可能性が。重要なことは、ターゲットの優先順位を明確に設定し、それに基づいて設計を進めること。そうすることで、公開までの限られた時間の中での判断の軸ができ、対応しない施策とすべき施策が検討できる。また例えばターゲット間で導線が競合する場面でも、どちらを優先するか判断できる。(クライマークス 木村聡志氏)
ありがち失敗➂
スケジュールや作業の計画を多数の関係者が確認、承認。社内調整に想定以上の時間がかかってしまった。
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