コーポレートサイトの目的のひとつである「採用」。大東企業では、新型コロナによる飲食業界の人手不足をきっかけに、コーポレートサイトを刷新。ターゲットを求職者に絞った同社のリニューアルプロジェクトについて聞いた。
銀座エリアを中心に飲食店を展開・運営する大東企業は、2022年10月25日にリニューアルしたコーポレートサイトを公開。それに伴い、新たに作成した大東企業グループの理念体系(パーパス・ミッション・ビジョン)を発表した。
企業アイデンティティを可視化
コーポレートサイトリニューアルの目的は「採用」。営業企画本部 本部長の高橋晃一郎氏は、「飲食業界は新型コロナによる影響を大きく受け、業界として人手不足になりました。そこで、当社の特徴や考えを知っていただくための、求職者をターゲットとした内容にコーポレートサイトを刷新することに決めました」と話す。
1927年に創業し、96年の歴史を持つ同社は、長く人々に愛され続ける店づくりを心掛ける「長期繁栄モデル」を掲げてきた。長く愛される店をつくるためには、働く従業員のエンゲージメントが重要だというのが、代表である北尾拓也氏の考えだという。そのため、同社は無謀な店舗数の拡大などは行わず、従業員が無理な働き方をすることのないように労働環境を整えてきた。
同社の考えを求職者に伝えるためには、根付いているこのアイデンティティを可視化する理念体系の策定と、それを発信するサイトのリニューアルが必要だと考えた。
求職者に信頼されるサイトに
サイトの開発に先駆け、2021年10月から、まずはパーパス・ミッション・ビジョンについて検討。広報担当1名、人事担当1名、採用PRを得意とする外部コンサルタントの計3名が主となりプロジェクトを推進。2022年3月に理念体系が固まった後、サイトの企画・設計・開発を経て10月の公開に至った。トップページのメインビジュアルには動画を採用。働く人々や洗練された店舗の様子を映し出しており、企業ブランドの世界観を表現した。メインビジュアルの下部には、求職者が知りたい情報を得られるよう、「ABOUT(理念・想い)」「PROJECT(事業紹介・キャリア形成の事例)」「BRAND(展開ブランド)」「RECRUIT(採用情報)」の4つのメニューボタンを配置し、分かりやすくシンプルな設計にした。
サイト内には、CMSで日々更新可能なニュースも設けている他、各店舗で働く料理人へのインタビュー記事などのコンテンツを掲載。従業員のリアルな声を求職者が知ることができるようになっている。
「飲食業界の中では、まだ働き方が整っていない現場などもあります。求職者の方に信頼していただくために、企業の情報が整理されていて、洗練されたデザインのコーポレートサイトが必要だと考えました。また、信頼を獲得するためには、第三者であるメディアへの露出も重要だと考え、同時期から広報活動も積極的に行うようになりました」と高橋氏。
データを第2フェーズに活用
このようにしてコーポレートサイトのリニューアルを行ったが...