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企業のサステナビリティ

新たな働き方への社内理解には多層的で不安解消する情報共有を

KDDI

持続可能な企業経営の実現において、今注目を浴びているのがイノベーションを創出する「人材」への投資だ。各社が独自の人材戦略を打ち出すなか、どのような発信がステークホルダーからの反響を得ているのか。先進企業に聞く。

通信事業を軸に新たな事業領域の拡大を進めるKDDI。組織の持続的な成長には高い専門性を持つ多様な人財を受け入れ、従業員一人ひとりがそれぞれの領域で活躍するプロ人財となることが不可欠だとして、2020年に「KDDI版ジョブ型人事制度」を導入した。世間では新しい人事制度にフォーカスがあたりがちだが、KDDIにおいては「社内DX」「働き方改革」を加えた三位一体を「新働き方宣言」として改革が推進されていた。

新制度をどう社内発表するか

改革当初、コロナ禍によるテレワーク長期化という大きな環境変化も重なっていた。新たな働き方をどう社内に浸透させていくか。経営企画、人事、そして広報部門が集まり、「新働き方宣言」の発表方法を検討したという。「重要なのは、伝える順序と内容でした」と広報部の中村孝太郎氏は当時を振り返る。

まずは経営トップ自らが従業員に向け語ったメッセージ動画を配信。“会社は働く環境や制度を整えていく、一緒に社員も変わっていこう”と呼びかけた。この段階では、具体的な制度が決まり切っていなかったため、社員の不安を解消できるよう、イントラネット上に新働き方宣言の特設ページを用意。情報をアップデートできるようにした。

「なぜ働き方を変えるのか、誰が何をするのか、どのような手法をとるのか、スケジュールはどうなるのか。5W1Hを意識して特設ページの情報を整理しました」と中村氏(図1参照)。働き方のモデルケースをイラスト入りで提示し、外勤中心の働き方を「ランナー」、社内外のミーティングで事業所間移動が多い働き方を「ウォーカー」などとネーミング。働く時間と場所を自らデザインしていく方法を親しみやすい形で...

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