パーパスと一貫性のある情報開示で共感集め企業価値高める
企業価値を持続的に高めるため、ESGへの取り組みが求められる昨今。投資家の評価を集めるにはESG情報の開示も重視されている。社内外への理解を促し共感を集めるための情報開示のポイントとは。
企業のサステナビリティ
持続可能な企業経営の実現において、今注目を浴びているのがイノベーションを創出する「人材」への投資だ。各社が独自の人材戦略を打ち出すなか、どのような発信がステークホルダーからの反響を得ているのか。先進企業に聞く。
社員一人ひとりが「MYパーパス(自分自身の人生の意義や目的)」に向き合い、組織のパーパスとの重なりを見出しながら、自身の内なる想いに突き動かされたチャレンジを繰り返す。そこに組織成長の原動力があるとして、MYパーパスを起点に人的資本の向上に取り組むのがSOMPOホールディングスだ。
保険事業を中心に展開し、7万4000人のグループ従業員を擁するSOMPOグループが「パーパス経営」に舵を切ったのは2021年。企業が存続するためには「“安心・安全・健康のテーマパーク”により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現する」ことを目指すという組織の志を明らかにし、従業員のチャレンジを奨励、イノベーションを創出する組織へと変革しなければという危機感があった。
櫻田謙悟グループCEOは2021年に従業員向けのタウンホールミーティングを7回実施。その中で「会社を自身のパーパスを実現する場として使い倒してほしい」と語りかけた。会社の中に自分の人生を置くのではなく、自分の人生の中に会社を置く。そう明確に発信したことで「会社が変わろうとしている」というメッセージが社内に驚きを持って伝わっていった。
一方、ほとんどの従業員にとっては、MYパーパスは「考えたことがない」ものだったと...