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地域メディアの現場から

『お忍び』訪問で掲載店舗を見極め『SAVVY』の編集方針

京阪神エルマガジン社『SAVVY』

ローカルで人気のテレビ番組や地元情報をきめ細かく伝える新聞・雑誌の編集方針や人気の秘密、つくり手の考え方を紹介します。

    京阪神エルマガジン社『SAVVY』
    創刊 1984年
    発売日 毎月23日
    発売エリア 近畿2府4県を中心に、首都圏、全国主要都市でも販売
    発行部数 17万部

    反響の大きかった特集

    買いに行こ!花とグリーン(2022年5月号)
    家で過ごす時間が増え、花や植物を暮らしに取り入れようとする人が増加していることを受けて企画。個性が光る花屋や観葉植物カタログなどを紹介した。

    2022イマドキのおやつ図鑑(2022年3月号)
    進化を遂げている関西のトレンドおやつを400品以上紹介。男性からの反響も大きかったという。

    大阪、京都、神戸で楽しむ韓国(2021年6月号)
    韓国料理やカフェ、コスメ、エンタメまで、気軽に満喫できる韓国の魅力を特集。関西にいながら韓国旅行気分を味わえる様々なスポットを紹介した。

1984年創刊の『SAVVY』(サヴィ)(京阪神エルマガジン社)は、スイーツやカフェ、おでかけ・旅行などの最新トレンドを、関西に暮らす人に向けて届けているライフスタイルマガジンだ。

雑誌を土台にウェブ開設

美しい写真やカラフルな色合いのデザインが目を引く『SAVVY』。主な読者層は30代女性だが、創刊当時から愛読している60代や、母娘2世代で読んでいるファンも多い。さらに、2022年3月号の「おやつ図鑑」などは、年配の男性が購入したというデータもある。

編集長の竹村匡己氏が、幅広い層に向けた誌面づくりの重要性を意識しはじめたのは前任の『Meets Regional』の編集長時代のこと。社内では「『Meets Regional』は男性誌、『SAVVY』は女性誌」という建付けだったが、2000年代に入ってからは『Meets Regional』の読者の半分を女性が占めるようになってきた。

「今は、男性誌を女性が読んだり、女性誌を男性が読んだりすることは当たり前ですよね。『SAVVY』はコスメや美容の特集も行ってはいますが、ジェンダーや年代といった属性を意識しすぎない制作の潮流は近年顕著に感じています」(竹村氏)。

毎月発売している月刊誌に加え、2022年3月末には公式ウェブサイト「SAVVY.jp」がスタート。現在はまだ試験的な運用段階のため過去号のアーカイブ記事が多数を占めるが、今後は月刊誌では対応できない速報性のあるニュースや、ウェブでしか読めない連載などを追加し、コンテンツを充実させていく予定だ。

SNSの台頭でいまや誰でも自由に情報を発信できるようになった時代。だからこそ、約40年間の歴史ある雑誌を土台にしたウェブメディアの重要性は高い、と竹村氏はいう。

「今やネットには情報があふれていて、知りたい情報にたどり着けない。だからこそインフルエンサーという役割が出現したわけですが、個人活動なので今後もずっと発信し続ける保証はなくアーカイブ性も少ない。『SAVVY』が雑誌で培ってきた約40年間の経験値と集合知をウェブでも発揮することで、雑誌の信頼性が再評価される時代が来るのではないかと...

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