インターナルコミュニケーションを活性化させ、事業の成長を後押しする役割を担う社内報。今回は九洲日東の社内報制作の裏側に迫ります。
九洲日東『NITTOU VISION』
福岡市の基礎工事会社、九洲日東は2020年8月、社内報『NITTOU VISION』を創刊した。1976年設立の同社は基礎工事業界で技術力の高い会社として知られ、新しい工法も開発してきた。創業当時の社員・職人の離職率はきわめて低かったが、時代の変遷とともに新たなメンバーも増えてきた。「社員の価値観も変化する中、新たなコミュニケーションスタイルを模索して創刊しました」と社内報を立ち上げた同社の榎 真一氏は語る。
創刊号では全社員が集い、会社の将来と建設業の未来を語りあう「安全大会」を催し、その様子を特集に組んだ。同社は、各社員の勤務場所が九州各地の現場や機材センター、本社事務所などに分かれている。そこで相互のコミュニケーションを図る機会をつくり出し、それを誌面に活かすことを試みた。
開催前は、世代や現場チームごとのすれ違いや誤解もあり、「今のような状態で職人が集えばケンカになる」「集まっても誰も話さないだろう」との否定的な意見も出た。しかし当日は「否定せず断定しない」「答えはひとつと思わない」などの対話のルールをもとに話し合った。「会場には雑談が生まれやすいよう、社の歴史を振り返る昔の写真や工事実績を示す資料を用意して張り出しました」と榎氏は明かす。
誌面には当日各テーブルに数人ずつ分かれて闊達に話し合う社員の写真が載る。また「和気あいあいとコミュニケーションが取れれば、声かけも増え、お互い危険な事など減る」「ボルト1つ、ピン1本コスト意識を持ち、物を大切に」など参加者からの数々のアイデアも紹介した。
「安全大会」での意見集計結果も誌面に掲載している。「よりよい現場・会社を実現するために重要な取り組み」のトップには...