インターナルコミュニケーションを活性化させ、事業の成長を後押しする役割を担う社内報。今回はJCOMの社内報制作の裏側に迫ります。
JCOM『WOW!NEWS』
2021年7月、旧名のジュピターテレコムからJCOMへと社名変更をした同社の社内報が『WOW!NEWS』。20~30代の非管理職従業員をメインターゲットに、全社の取り組みを伝えて今後のキャリア形成につなげる方針だ。
同年9月刊行の特別号は新ブランドメッセージ特集。冒頭では、他社のブランドメッセージがいつどのように変わったかの紹介と共に、ブランディングの重要性を説く。また自社のブランド力については、調査会社のデータを用いて、2013年以降下降傾向にあったと折れ線グラフで示した。社内報を制作する同社広報部の大屋直子氏は「ブランドの課題を自分ごとと感じてもらえるよう身近な他社ブランドの例を出しました」と語る。
2021年冬号と春号では全国特派員からの情報提供により各地の旨い物の数々を特集した。社内報が100号を迎えたのを機に過去に人気だったグルメ企画を復活させたもの。北は札幌発祥の「痺れ担担麺」から博多っ子に愛される「いかの塩辛」までが登場。コロナ禍の時勢を考慮し「お取り寄せできるもの」という条件を加味して、単なるお国自慢を超えた記事となっている。「過去企画に別の要素を加えることにより新たな価値が生まれ、読者からの反響がとても高かったです」と同誌編集長の姉﨑美尚氏は語る。
毎年自社の各部門事業計画を解説する特集「J:COM KICK OFF CONVENTION」は、かつては各セクショントップが誌面前面に登場して語る形式だった。それを2020年夏号から思い切って変化させ、アイコンを大きく用いて概要が直感的に捉えられるようにした。例えば「シニア向け編成強化によるJテレ視聴率向上」との課題を描くには、テレビ画面アイコンの中でぐっと上向きになる矢印が躍る。「表記に関する各部門とのすり合わせや、アイコンに使うモチーフについての...