社会における、より良い自社の在り方を考えるにあたり、スポーツ・スポンサーシップを、今どのように活用できるのか。今回は“スポーツマネジメント”の今後に迫ります。
この1年はコロナ禍が長期化する中、スポーツ界は大きな転換期となりました。東京オリンピック・パラリンピックは無観客で開催。北京オリンピック・パラリンピックは、外交ボイコットやドーピング問題、ウクライナ危機による運営の混乱などのニュースが関心を集めました。
また観戦型スポーツは、スマートフォンアプリを用いた遠隔での観戦体験や、5G、ARなどを駆使したスタジアム体験の創出により、DXの取り組みが急速に進みました。一方、参加型スポーツは、自宅や遠隔で参加できるバーチャルスポーツが普及し、仮想世界でリアルな身体活動を行うことがニューノーマルとなりました。スポーツは社会を映す鏡だと言われますが、まさにこの1年はデジタル化の恩恵を受けたスポーツイノベーションの年でした。
スポンサーシップの変化
先行き不透明な社会情勢が続く中、スポンサーシップ投資は安定しているものの、その在り方は変化しています。従来のスポンサーシップは、広告露出に依存していましたが、コロナ禍で浮き彫りになった社会課題に対し、スポーツの社会的価値を最大化することで自己実現・課題解決を図るビジネスモデルにパラダイムシフトしています。
無形商材であるスポンサーシップは、消費者のエンゲージメントを高める上で、共感を呼び起こすオーセンティシティな活動が求められることから、スポーツ組織とスポンサー企業、消費者の三者が価値観を共有するエコシステムの開発が必要です。
そのためには、「スポーツ(Sports)」「ソーシャルイノベーション(Social innovation)」「スポンサーシップ(Sponsorship)」の3Sを基にしたアクティベーションが重要となります。国内外のプロサッカーリーグでは、近年3Sによるアクティベーションが実施され、本連載で紹介したリバプールやJリーグの...