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地域メディアの現場から

リーダーの素顔を浮きぼりに 魅力を引き出すためのこだわり満載

毎日放送(MBS)『ザ・リーダー』

ローカルで人気のテレビ番組や地元情報をきめ細かく伝える新聞・雑誌の編集方針や人気の秘密、つくり手の考え方を紹介します。

    毎日放送(MBS)『ザ・リーダー』
    放送開始 2015年10月
    放送日 毎月第2日曜 5時40分~6時10分
    放送エリア 近畿広域圏
    制作体制 プロデューサー1人、ディレクター3人
    出演者 高井美紀(毎日放送アナウンサー)

    反響の大きかった放送回

    京セラ 創業者 稲盛和夫(2016年12月31日放送)
    京セラを創業した稲盛和夫氏が登場し、創業当時の熱い思いを語る。「稲盛さんが出演してくださったおかげで番組の信頼度が増し、その後の企業への出演交渉がしやすくなりました」(奥田氏)。

    JAL 植木義晴 社長(2016年3月13日放送)
    経営破たんから再建を果たした“新生JAL”について、植木義晴氏(現・会長)が熱く語る。中断していたパイロット養成講座が同年1月に再開し、一度は夢が絶たれたパイロット候補生たちに涙ながらに声をかけたシーンに反響が集まった。

    西成チャイルド・ケア・センター 川辺康子 代表理事(2020年10月11日放送)
    同センターが運営する「にしなり★こども食堂」を開いている大阪市西成区の市営住宅の一室にて対談。川辺康子氏が子ども食堂を始めた理由や運営の苦労、喜びを披露した。

毎日放送(MBS)が制作する『ザ・リーダー』は、毎回ひとりのリーダーに焦点をあて、日ごろ見ることのできない素顔を浮きぼりにするドキュメンタリー番組だ。経営哲学や仕事観はもちろんのこと、人生のターニングポイントや趣味、幼少期の思い出まで、その人物像をMBSの高井美紀アナウンサーが引き出していく。

毎月1回のテレビ放送後は、番組ホームページで全話視聴できるほか、テキスト化した記事をYahoo!ニュースに配信。企業研究の一環で活用する就活生も多いという。さらに、管理職向けeラーニングの講座で番組が使用されているなど、幅広いビジネスパーソンから支持を集めている。

対談場所にこだわり

番組の目玉はリーダーと高井アナウンサーの1対1の対談だ。各リーダーによって個性あふれる対談場所も注目ポイント。例えば、高松建設の高松孝年社長(2021年5月30日放送)は高松氏が自ら設計した自宅、京都大学特別教授の本庶佑氏(2021年1月3日放送)は、いつもプレーしている京都のゴルフ場、サントリーホールディングスの鳥井信吾副会長(2020年11月8日放送)は比叡山延暦寺など、三者三様だ。

プロデューサーの奥田雅治氏は「撮影時の最低限の約束事として、会社以外の場所で対談することをお願いしています。プライベートでの思い出のあるスポットや、よく行く馴染みのお店で話を聞くことで、人柄をうかがい知れて違った一面を見られるためです」と語る。

企業規模が大きい会社の経営者であれば、なかなか本人に会ったり生の話を聞いたりする機会がない従業員へ向けて、トップメッセージを伝えるという効果もある。「『トップの方が笑っている顔を社員で誰も見たことがなかったが、初めてテレビで見た』という声も寄せられています」(奥田氏)。

では、登場するリーダーはどのように決めているのだろうか...

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