ローカルで人気のテレビ番組や地元情報をきめ細かく伝える新聞・雑誌の編集方針や人気の秘密、つくり手の考え方を紹介します。
ながさきプレス『ながさきプレス』 | |
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創刊 | 1988年12月 |
発売日 | 毎月27日 |
発売エリア | 長崎県、佐賀県、福岡県、熊本県、東京都 |
発行部数 | 3万部 |
編集体制 | 編集部5人+外部ライターなど |
反響の大きかった特集
「長崎、レトロなよりみち」(2021年6月号)
喫茶店や洋食店、サウナなど、古き良き長崎ならではのレトロスポットを紹介。県外へお出かけができない時期に、あえて長崎県内の魅力を再発見できる特集にした。
「長崎のおいしいお取り寄せ・お持ち帰り」(2021年2月号)
コロナの影響で、急遽“温泉特集”からテーマを変更。「ローカル誌で県内のお取り寄せ情報は需要があるのか」との編集部の不安をよそに、表紙で掲載した商品が即日売り切れになるなど大きな反響を得た。
「カフェとスイーツ」(2021年3月号)
定番企画の“カフェ”と“スイーツ”をWテーマで特集。春を先取りする旬のいちごのスイーツやフルーツサンド、ニューオープンのカフェなどを集めた。
『ながさきプレス』は、創刊33年の歴史を誇る月刊タウン情報誌だ。長崎県全域を中心に、九州エリアのグルメやお出かけ情報からカルチャーや健康に至るまで、幅広い情報を発信。県内唯一のタウン誌として、長年にわたり愛されている。
ターゲットは県内在住の全年齢層。中でも、20~40代のアクティブな年齢層をコアターゲットにしている。
県民も知らない魅力も発信
「トレンド情報を逃さず読者に届けることが基本にありながら、古き良き長崎の魅力を伝えていくのも『ながさきプレス』の役割です」。そう語るのは編集長の中島悠希子氏だ。
長崎は昔から外国との交流が盛んで、他県にはない独特な歴史を築いてきた街だ。県民でも意外と知らない歴史あるスポットも紹介している。
特集テーマは、前年の夏頃に1年間分を決定。その後、各号の制作時期が近づくと編集会議で詳細を決めていく。取り上げるネタは、取材先からなどの口コミ、SNSや読者はがきの声など、リアルな声を中心に集めているという。
同社では、月刊誌の『ながさきプレス』に加え、同名のウェブマガジンも運営している。ウェブマガジンでは、週刊コラム「ながさきプレス観光課」など、県外の観光客に向けた情報をメインに発信。グルメ情報も、月刊誌では地元住民が普段使いしやすい店舗やニッチな店舗も紹介する一方で、ウェブマガジンでは観光で押さえておきたい定番の店舗を紹介するなどして差別化を図っている。
「月刊誌で積み上げてきた歴史や信頼性をもとに、ウェブ・紙の媒体にこだわらず、地域のメディアとして求められていることを実践していきたいと考えています」(中島氏)。
時代に合わせて変化してきた
同誌は2021年5月号で創刊500号を迎えた。記念号では、長崎の出来事とともに本誌の歴史を年譜で振り返る特集や、長崎市長のほか県内出身の著名人からのお祝いメッセージを掲載。中島氏は「改めて『ながさきプレス』は街の人々と共に歩んできた雑誌なんだと実感しました」と振り返る。
出版不況に新型コロナウイルスの影響が追い打ちをかけ...