ローカルで人気のテレビ番組や地元情報をきめ細かく伝える新聞・雑誌の編集方針や人気の秘密、つくり手の考え方を紹介します。
徳島新聞社『徳島新聞』 | |
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創刊 | 1944年6月 |
配布エリア | 徳島県 |
発行部数 | 約19万部(2021年4月現在) |
編集体制 | 85人(うち、外勤記者は約60人) |
反響の大きかった記事・特集
「未来との約束」(2020年12月16日~)
SDGsをテーマにした通年連載。気候変動によって絶滅の危機に瀕している生物の保護活動を行う専門家や、多量のプラスチックによる海洋汚染の課題に向き合う県内の高校生らを取材している。
徳島ヴォルティスのJ1復帰報道(2020年12月17日)
サッカー・J2の徳島ヴォルティスがホームスタジアムで行われた大宮アルディージャ戦で勝利。7年ぶり2度目のJ1昇格を決めた翌日の紙面で一面で報じた。
県内の新型コロナウイルス感染者の体験談を報道(2020年11月21日など)
新型コロナウイルス感染者に対する差別や偏見が問題になる中、感染者の家族にその実態を数回にわたって取材した。
『徳島新聞』は発行部数約19万部の地方紙だ。「県民と共に行く」を社是に掲げ、地域密着にこだわった報道で多くの県民の支持を獲得。徳島県内での世帯普及率は全国でもトップクラスの約60%(2021年4月現在、徳島新聞社調べ)を誇る。
県内1総局8支局、県外3支社と県内外に取材拠点を設置。きめ細かく張り巡らせた取材網で、事件事故や行政、街ダネからスポーツまで、県民の関心が高い話題を住民目線で届けている。

SDGsがテーマの通年連載。気候変動を取り上げた第1部では、蝶の分布の変化を探る専門家らを取材(2020年12月27日号)。
ハイパーローカル掲げ紙面改革
2020年4月に「ハイパーローカル」という方針を打ち出した同紙。これまでの地域密着をさらに進化させ、より徳島県に特化した情報を届けるためだ。
紙面改革の最大の特徴は、最終面側から見開き2ページ連続で地元ニュースばかりを扱う紙面展開へと変更したことだ。紙面改革以前は、社会面は徳島と全国の記事が混在していた。
見開き2ページのうち、最初の見開きは徳島県内の政治経済の大きなニュースや事件事故などを報じる徳島総合面。後のページは県内9つの総支局から送られてくる街ダネなどを詳報する地域総合面となっている。
さらに、これまでは全国ニュースを扱う傾向が強かった一面も、紙面改革以降は積極的に地元ニュースを掲載している。
同社編集局長の近藤務氏は紙面改革の狙いについて「ネットやSNSの発展で全国ニュースや海外ニュースは瞬く間にネット上にあふれてしまう状況です。徳島新聞がこれから先、生き残っていくためには地元・徳島県内で取材したニュースをいかに充実させ、それをいかに読者に届けていくかが重要になってくると考えたためです」と話す...