社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学びます。

各事業の要素を詰め込んだ70周年記念動画(社外向け)。企画から編集、キャスティングまで自薦の従業員が参加。
寺田倉庫は倉庫業の枠を超えた新規事業へのチャレンジで、預かったものの価値を高める“空間”の魅力づくりに取り組んでいる。
2020年70周年を迎えた同社は、周年のテーマを「Make space(空間開花)for⋯」と設定し、部署横断でビジョンの共有を図った。プロジェクトメンバーの広報部 廣瀬あゆみ氏と人事部 吉川みずき氏に話を聞いた。
コロナ下でのコミュニケーション
「新型コロナの影響もあり、画面越しでどうコミュニケーションするのが良いか、プロジェクトメンバーで話し合った結果、動画という形になりました」(廣瀬氏)。動画は社外向け1本と、社内向け2本を制作し、いずれも10月23日にオンラインで実施された創業記念イベント内で放映された。
社外向けに制作した動画は、協力会社サポートのもと、従業員が企画立案から撮影・編集まで携わった。キャストも従業員、およびその家族で撮影した。「当社は事業が多岐にわたっており、“寺田倉庫”と聞くだけではその型破りな事業展開をイメージしづらいことに課題を感じていました。各事業やサービスの要素を網羅した内容にはなっていますが、単なるPR動画にならないよう、当社のフィロソフィーが伝わるようなエモーショナルな映像にこだわりました」と廣瀬氏は説明する。
社内向け1本目は各事業部の紹介動画を制作した。事業部ごとに担当ひとりが撮影。各3分弱で日頃の業務や働く場所、ミッションなどをまとめている。「事業が多岐にわたるがゆえ、社内でも『他部署が何をしているか分かりづらい』という課題がありました。事業部ごとのメンバーのカラーが詰まった内容で、事業内容も網羅できるので、人事としては新入社員への教育の面でも役立っています」(吉川氏)。
全従業員で巨大アート制作!
同社は近年...