社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学びます。
明星食品は2020年3月に70周年を迎えた。プロジェクトを率いたマーケティング部長 中村洋一氏、執行役員 経営企画部長 渡邉玲樹氏は「70周年は100周年に向けたスタート地点」と位置付け、新しい「明星食品」に果敢にチャレンジし、強い会社をつくっていくという行動指針を打ち出すフェーズにあったという。
「社内で選抜したプロジェクトメンバーを中心に社内ヒアリングをしたところ、『電話でしか会話したことのない社員とも交流してみたい』などといったインターナルに関する意見が多数集まりました。そこで、周年で取り組むテーマを『絆』に設定。そこに100周年に向けたチャレンジを推し進める上で、経営層間で課題に感じていた『情熱』『自発行動』もテーマに加え、プロジェクトを進行しました」と中村氏は説明する。
社内の目、社外の目
プロジェクトを進行した中村氏と渡邉氏は同社内で異なる目線をもっていた。中村氏は外資系企業を経て2018年に日清食品入社と同時に同社に異動してきた。渡邉氏は勤続30年以上で、マーケティング部や現在の経営企画部など様々な部署も経験し、長年会社を中から見てきた。「三浦(善功代表取締役社長)から直接指名を受けました。“新しい明星食品”への挑戦のスタートダッシュであるこの周年を、私が中から見てきた視点と中村の客観的視点が合わさり、いいパートナーシップで迎えられたと思っています」(渡邉氏)。
主な取り組みとしては①ソーシャル ②マーケティング ③インターナル ④マネジリアル ⑤ブランドの5つの領域でプロジェクトを展開。①ではインスタント麺好きのコミュニティサイト「明星 メンバーズ コミュニティ」を2019年11月に開設。2020年10月現在1万4000人超が参加しており、ファンから同社商品についての思い入れや感想などもコメントで寄せられており、新たな顧客接点が生まれている。今後はファン育成だけでなく、コミュニティ内の発言分析や商品...