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長寿企業の極意・周年イヤーの迎え方

「老舗はいつも新しい」の精神 若年層にもリーチ広げる挑戦

なだ万

社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学びます。


老舗料亭「なだ万」は2020年に190周年を迎えた。周年のテーマは感謝。「おかげさまで190周年」というキャッチコピーのもと、なだ万ならではの味わいを特別価格で提供するなど、より身近に感じてもらう機会を用意した。

統括した経営企画本部長 西門氏は「外食業界において周年はお客様にリーチする上でとても重要です。当社はこれまで『老舗はいつも新しい』という精神のもと、新しい挑戦を続けてきました。今回は200周年も見据え、今まで取り組めなかったことにも挑戦し、より幅広い年代のお客様に知ってもらう機会にしたいと考えました」と振り返る。

新たな層への接点づくり

なだ万の従来のターゲット層は50代から80代。10年、20年と今後も見据えて事業を続けていく上でも若年層へのアプローチは常に課題に上がっていたという。「まず第一弾として(190年にちなんで)19歳限定の特別プランをスタートしました。また家庭で手軽に料亭の味わいを再現できるギフト商品など、周年企画は当社を知らなかった人にも触れてもらうきっかけづくりを意識しました」(レストラン事業本部 古市氏)。

施策の中でも2020年4月に同社初のYouTube公式アカウントとして開設した「なだ万チャンネル」は大きな反響を呼んだという。各店舗の調理長が家庭でもできる日本料理のレシピ、調理技術を紹介する動画で、調理本部とレストラン事業本部が中心となって企画・運営を行っている。

「海外や若い世代にリーチする手段として企画しましたが、コロナ禍で自宅での時間が増える中でメディアからもより注目いただきました。スタッフからも『自分の店の調理長にも出てほしい』など、ポジティブな声がたくさん寄せられました。当初は周年限定の施策として考えていましたが、今後もPRに活用していければと思っています」(古市氏)。

さらに、店のメニュー内などにQRコードを提示し、YouTubeのレシピ動画へ誘導。来店客が調理長の手さばきやレシピの工程を確認し、楽しめる工夫にもつながっている。

なだ万らしさを表した新デザイン

社内に向けては10年おきの周年で毎回作成している「周年ロゴシール」が好評という。「活用方法の一例として...

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