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長寿企業の極意・周年イヤーの迎え方

真のグローバル企業を目指す 新生オリンパスの組織改革

オリンパス

社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学びます。

経営理念(存在意義とコアバリュー)については社報でも特集。

オリンパスは2019年10月に100周年を迎えた。2011年に損失計上先送りが発覚し、世間に与えた透明性への不信感、成長への不安。「これから先の100年も会社を存続するためには会社を一から本気で変えなきゃいけない。そしてグローバルで持続的に成長できる組織をつくる必要がある」。同社で変革の一端に関わってきたコミュニケーションズ,グローバル(バイスプレジデント)の渡邉徹氏はこう語る。

経営理念の再定義

2016年の中期基本計画「16CSP」に織り込まれたのは、①経営理念の再定義 ②グローバルガバナンス体制の構築、③業務効率の追求。「①について、自分たちでさえ明解に説明できない企業理念では意味がない。これから特にグローバルに持続的に成長を目指すうえでも自社の価値観を定め、全ての従業員と共有することが必要だと考えました」。

2017年から人事、コミュニケーションズ、また推進メンバーとしてグローバルで300人の「アンバサダー」が選出された。「一部の役員が会議室にこもって立てた理念では従業員が腹落ちできるわけがない。『やめるべき』『やるべき』『やりたい』行動様式について徹底的に様々な部署を巻き込んで討論しました」。

そうして2018年にOur Purpose(私たちの存在意義)として「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」、また達成するためのOur Core Values(私たちの価値観、以下コアバリュー)として誠実、共感、長期的視点、俊敏、結束の5つを設定した。そしてこれらを組み合わせて経営理念とした。

コアバリューは、新たにできたグローバル経営体制、人事制度のほか、決裁プロセスの見直し、ドレスコードの撤廃など、ハード・ソフト両面で変革を進めていく上での拠り所となった。渡邉氏は「コアバリューを体現できる人がリードする組織運営の体制にしなければ、経営理念は絵空ごとで終わってしまいます。人事やコミュニケーションズを巻き込んだプロセスをとり、なにより社長を含む経営陣の『透明性』と変革への強い意志が重要だったと思います」と説明する。

あえて華美にしない周年

同時に2017年4月から思案に入った100周年プロジェクトでは、「あえて」...

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