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元ディレクターが直撃取材!テレビ番組制作者の本音

コロナ後、扱うテーマは即時性を重視 変化は地域企業にも追い風に

下矢 一良(PR戦略コンサルタント・合同会社ストーリーマネジメント代表)

テレビ東京出身で経済番組のディレクターを務めていた筆者が、実際に人気番組の制作者にインタビューしメディア対応の極意を聞き出します。

『ワールドビジネスサテライト』〈後編〉
チーフプロデューサー 大久保直和氏
メインキャスター 大江麻理子氏

1988年4月に放映を開始した、日本で最も長く続く経済ニュース番組。「仕事と生活につながる経済ニュース」をコンセプトに国内外の経済の動きを独自の切り口で伝える。制作スタッフ数約50人。

前回に引き続き、『ワールドビジネスサテライト(WBS)』の大久保直和チーフプロデューサー(CP)と大江麻理子キャスターにインタビューをしていく。前回は『WBS』が目指している番組のあり方、そして2020年に導入された、AI(人工知能)を用いたプレスリリースの管理方法などの話を伺った。今回は、広報担当者の業務のあり方も大きく変えた、新型コロナウイルスの影響から話を始めたい。

オンライン記者会見の是非

「三密」を避けるために、記者会見も、オンラインでの開催が一般的になりつつある。このオンライン記者会見を、『WBS』は取材する側として、どう捉えているのだろうか。大久保CPに聞いた。「オンラインでの記者発表はリアルに比べるとやはり弱いと感じています。テレビの場合は、記者会見の情報だけではなく、現場の臨場感が必要です。オンライン記者会見はテレビならではの付加価値がどうしても出しにくいのです」。

テレビは経営者の文字面の発言だけではなく、質問を受けたときの一瞬の表情の変化、他の記者たちのざわめき、準備に慌ただしい広報担当者の様子さえも伝えることができる。いわば「企業が語らないこと」まで雄弁に物語るのが、テレビにとってリアルの記者会見だ。テレビの伝え手は、決して公式見解だけを撮影しに来ているわけではないのだ。

オンライン記者会見をテレビ取材につなげたいのであれば、公式見解を読み上げるだけではない、なにかひと工夫が必要となる。例えば出演者にワンカットでフォーカスするのではなく、引いて会場全体を映す画や、様々な角度・距離からのカットを用意するのもいいかもしれない。とはいえ、「業界標準」と言えるような方策はまだ、見当たらない。オンライン記者会見を巡る、広報担当者の試行錯誤は、もうしばらく続きそうだ。

より瞬発力が求められる現場へ

新型コロナの影響は、当然、取材をされる側である広報だけに留まるものではない。取材する側である『WBS』は、新型コロナにどう対応しているのだろうか。

「コロナ以降、『WBS』では、2班体制を敷いています。ひとつの班が月水金を、その翌週は火木に出社します。そして...

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