山梨県富士川町で始まった「まちいく」プロジェクトは2016年に埼玉県戸田市、2017年に都留市へと広がっていきました。各地域の歴史から「名産品」を生み出す、プロジェクトの裏側を解説します。
実家の酒造「本菱」の復活をきっかけとして2016年、山梨県富士川町で始まった「まちいく」プロジェクト。いまやプロジェクトは山梨県富士川町だけではなく県内各地で広がりを見せています。富士川町の「ふじかわ」プロジェクトが本格的に始まった約半年後、2016年9月には埼玉県戸田市で「まちいくとだ」プロジェクトを立ち上げ、2017年4月からは山梨県都留市で「まちいくつる」プロジェクトを開始しました。
始まりはひとりの熱い想い
「まちいくとだ」プロジェクトは、「まちいくふじかわ」プロジェクトに参加した鈴木健史さんの熱い想いにより開始されます。鈴木さんは、「さいたまに愛とメシ」をスローガンに、飲食店から街づくりを実現する、戸田市に本社を置く「ロット」の取締役(当時)でもありました。
自社の理念や事業と「まちいく」プロジェクトの考え方が重なるところから相談をいただき、プロジェクト発足に至りました。戸田市出身でもある鈴木さん自身を発起人代表に置き「戸田市を代表するブランドをつくろう」という熱意を、約20人の参加メンバーに共有するところから始まりました。戸田市は、池袋から10分ちょっと。東京から一番近い埼玉県の地域で、住みやすいベッドタウンではあるのですが、戸田市の名産というと、なにもないのが当時の状況でした。このプロジェクトには、地元の方を中心に、市内外の方が数多く集まりました。
約半年にわたるプロジェクトで開発したのは「埼玉戸田純米吟醸・微発泡かけはし」という日本酒です。ブランド・ビジョンは「戸田に人が集まる架け橋になる」こと。ここから「かけはし」というネーミングが考えられました。戸田市は昔から人とモノが行き交う物流の拠点。たくさんの人に戸田の魅力を知ってもらおうという意志が込められています。
またミッションは...