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地域活性のプロが指南

実家の酒蔵復活が出発点 クラウド上で資金調達へ

深澤 了(むすび 代表取締役)

前職でブランディングに従事し、広告制作を行ってきた筆者。地元の山梨県富士川町で始めた地域プロジェクト「まちいく」で、実家の酒蔵の復活を起点とする地域活性化に取り組んでいます。

40人のメンバーでスタートした「まちいくふじかわプロジェクト」。

2015年、「まちいくふじかわプロジェクト」に取り組もうと動き始めて早5年。舞台の山梨県富士川町は人口1万2000人ほどの小さな町です。10年前に増穂町と鰍かじかざわ沢町が合併してその人数ですから、過疎化が進む地方の田舎の典型例のような場所です。そんな旧鰍沢町が私の地元。ここで今回お話しする「まちいく」の最初のプロジェクトを立ち上げました。

「地元愛」はほとんどなかった

地域活性に取り組んでいるというと「さぞ地元愛が深いのだろう」と言われるのですが、むしろ嫌いだった期間のほうが長かったと思います。山と川しかなく、商店街はシャッターばかり。早く地元を出たいと、1時間半以上かかる甲府市の高校まで通いましたし、大学進学に向けて浪人時代から東京へ出ていきました。

社会人になってからは地元のことを考える暇もなく、ただひたすらに働いていました。私が独立し、今の会社をつくったばかりの2015年の春、実家の押入れから「本菱」の刻印と慶応3年に描かれた蔵の図面を父が見つけてきたところから、このプロジェクトは始まります。

実家が「本菱」という酒蔵であったことは、小さなころから聞かされていました。私はCMプランナー/コピーライターでキャリアをスタートし、前職ではブランディングからクリエイティブまで手がけるということをずっと行ってきました。“鰍沢”という地域は、落語でも描かれることがある、歴史と文化が残る豊かなストーリーがあります。江戸時代に開かれた富士川舟運で栄えたこの町の歴史は、地元の小中学校の社会科で必ず学びますし、私も当然それを覚えていました …

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