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地域活性のプロが指南

町の「強み」をデザインに 地域活性につなげるコンテンツ

深澤了(むすび 代表取締役)

2017年山梨県富士川町で120年前の酒「本菱」が復活した。町の強みをロゴや書体で表現し、そのストーリーを伝えるため何が必要か。広告制作に長年従事してきた筆者が、コンテンツ制作のポイントを解説。

「本菱」オリジナルのフォントとマーク

2015年山梨県富士川町で始まった「まちいく」プロジェクト。実家の酒造「本菱」の復活を旗印に、町の活性化に取り組んできました。何度もプロジェクトメンバーで集まり、特徴やターゲット、味、ブランドとしてもたらすべき価値を決めていき、いよいよ「本菱」の顔になるラベルを考える段階にきました。幸いにもこのプロジェクトには数名のデザイナーも参加していたので、私と彼らでまずは本菱のロゴデザインについて考えていきました。

デザインを考えるとき最低限必要なのは、強みの整理と、誰に向かって訴求するかを決めるターゲティング。これは毎月のワークショップの中で決まっていることでしたので、改めてデザインメンバーで整理していきました。

ラベルは赤、白、青、紺、黄の5色展開。

土地が生み出す「本菱」の強み

主な強みとして設定したのは、❶県内外のみんなで復活させたお酒❷大法師公園の桜❸ダイヤモンド富士の3つ。❶は「120年前までこの町で愛された酒を復活させるのだ」という強い想いが詰まっていること。これは他の日本酒と比べても、永遠に差異化できる点だと考えました。❷は富士川町には山梨県唯一の桜の名所百選に選ばれている大法師公園があるということ。もちろん公園からは富士山も見ることができます。❸は元日にダイヤモンド富士が見られる高下(たかおり)という名所があること。プロ、アマチュア問わず、カメラマンが全国から毎年撮影に訪れる場所です。

主な強みに味に関連する項目がないのは、まだ出来上がっていない酒だったということも少なからずありますが、「そこで勝負しない」という表明でもありました。日本の酒づくりはレベルが高く、純米吟醸以上の規格であれば、正直何を飲んでもおいしいのです。あとは好みの問題。スペック勝負はすぐに追いつかれます。「本菱」は、徹底的に土地の水と米を使った地酒ですから、その土地のストーリーをまとっていることを表現すべきである、というのが議論の着地点でした。

一方、ターゲットの理想のペルソナは...

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