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大学のキャラクター活用 認知拡大のフックとなるか

谷ノ内 識(追手門学院大学 総務部広報課 課長)

全国759大学中286大学、率にして37.7%。これはキャラクターを導入している大学の数です。3分の1を超える大学に広報キャラクターがあるそうです。この数字は2017年11月の日本広報学会第23回研究発表全国大会において、筆者の前に本連載を担当していた東洋大学の榊原康貴さんが「大学キャラクターの分類」と題して発表した資料からの引用です。

榊原さんご自身も「全国の大学のホームページをせっせと調べました」というくらい、大学においてどのようなキャラクターがどのように活用されているのか、全容が分かるような報告書や論文はないように思います。

大学キャラクターの役割とは?

今回は大学におけるキャラクターをマーケティングとの関わりで考えたいと思います。このテーマを思いたったのはある他大学の職員の方からのメールで、「大学のキャラクターの意味とか活用実態とかどうなのでしょう?何かまとめられたものはあるのですか?」という質問をもらったことがきっかけです。

追手門学院大学でも公式キャラクター「おうてもん」を2009年から導入していますが、導入による効果を客観的に示すようなデータがあるわけではありません。多分に主観的にはなりますが、事例のひとつとして対比させることで具体的にイメージしていきます。

大学においてキャラクターを導入する意味は、「キャラクターを用いて自組織の独自性を高める」というキャラクターマーケティングの考え方と合致することが多いように思います。冒頭で紹介した榊原さんの発表によると、大学がキャラクターを導入する事例は2000年代から増えているそうです。

本連載2回目でも触れた大学における広報活動が本格化する第2段階の始まりと重なります。このことから入試志願者の獲得を視野に、大学案内やホームページといった説明することを主眼とした媒体とは別に、認知経路を増やす手段のひとつとして導入されたことが考えられます。

実は2016年3月号の本連載において、榊原さんが学生募集を担当する入試課時代にムーミンのキャラクターを用いて宣伝活動をしたことを紹介しています。東洋大学は1996年から2011年まで受験生への認知を広めるために他大学に先駆けてキャラクターを導入したということですが、その狙いはまさにマーケティングだったわけです。ポイントは2つあると思います。一つ目はキャラクターを導入した大学は、当時はまだ少なくインパクトがあったこと、二つ目はすでに有名なキャラクターを用いたことで広く受け入れられたことです。

これに対して追手門学院大学のキャラクター「おうてもん」は独自のキャラクターとして誕生しました。当初は受験生への認知経路を増やす手段として、当時の責任者が「キャラクターをつくろう」と発案しました。

しかし...

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