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大学広報ゼミナール

認知獲得とブランド理解 オウンドメディアの統合へ

谷ノ内 識(追手門学院大学 総務部広報課 課長)

大学経営にも「オウンドメディア」という概念が広がりつつあります。数年前までは大学自身が管理運営する各種メディアは個別のものと認識され、ひとつにまとめて呼ぶことはなかったように思います。

本連載で度々引用している全国の国公私立大学の広報担当部署を対象に実施した、2012年の文部科学省「大学等の広報に関するアンケート調査結果」にもオウンドメディアという用語は出現しません。「広報誌の発行」「ホームページ運用」「ソーシャルメディアの活用状況」「プレスリリースの作成・配信件数」など、メディアごとに調査を行っています(図表1)。

図表1 広報担当部署で管理・運用している主なオウンドメディアの運用状況
出所/文部科学省広報室「大学等の広報に関するアンケート調査結果」から筆者編集(2012年10月)

ちなみに「広報誌の発行」と「ホームページの運用」は、大半の国公私立大学の広報担当部署で行われており主要業務のひとつになっています。「ソーシャルメディアの活用状況」は、国立大学の47.1%、公立大学の27.7%、私立大学の51.5%が「FacebookやTwitterなど何らかのSNSのアカウントを開設している」と回答しており、当時はSNSがそれほど普及していなかったことが分かります。

最後に「プレスリリースの作成・配信件数」ですが、これは月平均何件程度か各大学が記入した数字の平均で、国立大学が6.1件、公立大学が1.8件、私立大学が1.9件でした。また大学の種別を問わずに学生数(規模)別でも比較をしており、学生数が多い(規模が大きい)大学ほど件数が多く、1万1人以上の規模では7.3件という結果でした。

個別運用から統合的運用へ

さて、現状と比べていかがでしょうか。「広報誌の発行がマンネリ化している」「SNSは公式アカウントを開設したものの、何気ない大学の日常を日々掲載し“いいね”の数に一喜一憂している」「プレスリリースはイベント情報が中心で教育・研究情報の発信が少ない」など、特に担当者の人数の少ない中小規模の大学は思いあたることがひとつはあるかと思います。各メディアを個別に運営し、日々の更新に追われる状況から脱却を図る時ではないでしょうか …

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