業界ごとに存在する数多くの専門メディア。広報担当者にとっては、メディア対応の登龍門となることも多いでしょう。その編集方針やヒット企画、注力テーマを聞き、関係構築のヒントを探ります。
『TV Bros.』編集部DATA | |
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2017年に創刊30周年を迎えた『TV Bros.』。数あるテレビ番組情報誌でも異彩を放ち、サブカルチャー全般に及ぶ充実した特集と多数のコラム連載が売り物だ。例えば、創刊以来続く番組表内の名物ミニコラム「ブロス探偵団」のとある日では、池上彰氏が番組内で「国政選挙の9カ月後に政治家の子どもが生まれやすい」と小ネタを漏らす瞬間も見逃さず突っ込む。
10月には第2シリーズがスタートしたばかりの人気アニメ『おそ松さん』(テレビ東京系列)の25ページにもわたる特集を組んだ。個性的なダメっぷりが注目された「おそ松」から「十四松」に至る6人の魅力をライターたちが描き分ける。またアフレコを務める6人の声優や、シリーズ構成と脚本を担当した松原秀氏にインタビュー。
全ページから「おそ松さん」愛があふれる。同誌の各地域5版と特別版あわせて6種表紙で6兄弟の表紙ジャックも敢行した。編集長の木村親八郎氏は「制作サイドから見ると、(テレビ誌の置かれる)コンビニで、普段あまり表紙になりづらいジャンルのアニメを際立たせた効果もあるようです」と語る。
他の類似誌と異なるのは、テレビ番組ばかりでなく、音楽、映画からラジオまで、時にこれから大きくはじけそうな人やムーブメントにも光を当てる点。7月15日号では3人のオジサン芸人による屁理屈トークが話題のラジオ番組『東京ポッド許可局』(TBSラジオ系列)を特集。出演するマキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオの3人それぞれを他の2人が論評する。「すでにユニットとして確立している3人の個性をフィーチャーしました」という。
特集企画を組む視点を尋ねると、「誰もが知る人気者を扱う一方、編集者自身が新たに面白さを感じる対象を見つけて紹介する発掘精神も当誌の強みです」と打ち明ける ...