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地域活性のプロが指南

漁師によるモーニングコールは、地域に何をもたらしたのか

長谷川琢也(一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン 事務局長)

クリエイターとの共創で仲間はさらに拡大。漁協や市のバックアップも受け、今年5月には漁師によるモーニングコールサービス「FISHERMAN CALL」を開始しました。

水産業担い手育成事業の一環として始めた「FISHERMAN CALL」は、若いクリエイターのアイデアを実現したもの。

私の本職ヤフーには、人材開発の指針の中に「社員の才能と情熱を解き放つ」という言葉があります。会社は社員一人ひとりが自分の可能性に気づき、開花し、試していく場所である。そういう人が集まれば大きなエネルギーを生み出し、世の中をもっと幸せにできるのだ、というものです。

震災後、それまで生きてきた中では味わえなかった体験、経験をたくさんしてきました。漁師たちから学んだことももちろんたくさんあります。一方で、クリエイターの「真の力」を感じることもたくさんありました。あの緊急事態が、人々の才能や情熱を解き放ったのではないかと今でも思います。

写真や動画撮影は自分たちで

震災から3年が経った2014年にフィッシャーマン・ジャパンを立ち上げたとき、クリエイティブに力を入れたことは前回紹介しました。特に編集や音楽はプロの皆さんに手伝っていただきました。それこそ「まさかこんな方たちと仕事をする日が来るとは!」というような人たち。古平正義さんやap bankの関係の皆さんなどです。一方で、実際の撮影はすべて、石巻で出会った仲間たちと自分たちで行いました。

「漁師たちの日々の姿やストーリーをもっと尖らせて伝えたい。漁師たちも普段見られないような映像を撮って見せたら、彼らの中にももっと感動が生まれ、誇りが生まれ、きっと消費者の心を突き動かすはず」。

そんな話を復興支援活動の中で語り合っていたカメラマン、ダイバー、フィッシャーマン・ジャパン事務局メンバーと、団体立ち上げの夏は漁船に乗りまくり、色んな映像を撮りました。

一眼レフで写真も撮りながら動画も撮り、ホームセンターで竿を買ってきてその先に「GoPro」をくくりつけていけすの中に突っ込んだり、仲間のダイバーにカメラを持って潜ってもらったり、漁師に無理を言って漁具にカメラをつけて出し入れしてもらったり。その渾身の映像を、その思いを、古平さんやピラミッドフィルムクアドラの皆さんが受け取ってくれて、漁師たちもいつも以上に協力してくれて、大きなエネルギーが形になったのです。

その映像やウェブが、さらに仲間を増やすきっかけになりました。3年前の動画が今でも一人歩きして都会でクリエイターを刺激したり、各地の漁師を奮い立たせたりしているようです ...

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