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地域活性のプロが指南

「チームで6次化」を旗印にPR作戦始動 都心で「ランチつき」記者発表

長谷川琢也(一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン 事務局長)

地域経済を活性化させる漁業の「6次産業化」には、漁師や卸も含めた強い「チーム」が必要。広く仲間を募るために、「フィッシャーマン・ジャパン」のPR展開が始まりました。

脚色を加えず、漁業のありのままの日常をつないだ「フィッシャーマン・ジャパン」のプロモーション動画。

地域で新しいことを始める時、まず大事なのは、地元の人たちの「やりたい」、そして「今、自分がやらなければならない」という強い意志です。「今」「自分が」というのが重要で、「いつでもいいや」「誰かがやってくれればいいや」と少しでも思っているとすぐにダメになります。そして、良いチームができることも重要です。1人では本来やるべきことがおろそかになったり、相談・分担する仲間がいないことで、壁にぶつかった時にくじけやすいのです。

そんな中で出てきたキーワードが「チームで6次化」でした。

答えは「チーム」にある

農業や漁業では数年前から「6次産業化」が大きなテーマとして掲げられています。農林水産省によると、「雇用と所得を確保し、若者や子供も集落に定住できる社会を構築するため、農林漁業生産と加工・販売の一体化や、地域資源を活用した新たな産業の創出を促進するなど、農林漁業の6次産業化を推進しています」(同省ウェブサイトより)とあります。

つまり、つくる・獲る=1次産業、加工する=2次産業、販売する=3次産業、これらをすべて産地で行うこと(1次+2次+3次で6次)で、地域に仕事とお金を落とそう、という考え方です。

それならば、漁師が加工でも何でもできるスーパーマンになるのがいいかも!と単純に考えましたが、これもまた違うよ、とフィッシャーマン・ジャパンのメンバーに諭されます。

「漁師は毎日、命の危険にさらされながら海に出て、全精力を注いで人が食べるものを獲って(採って)こなければならない。それで陸に戻って加工して営業して販売して⋯⋯そんなことできると思う?海に集中したいし、しなければならない」。

「ネットの会社の人たちはすぐ『漁師が直接ネットで売ればいい』と言うけど、われわれ魚屋がいろんな工夫をして価値を高めて、保管して運んで消費者のもとに届けている。そういう人たちの商売も持続可能にしないと、漁業は成り立たないんだよ」。

なるほど。ではどこに課題があって、それにどう立ち向かえばいいのか。答えのひとつが、「チーム」だったのです。それには団体の外部の仲間を増やしていく必要がありました。この思いや活動を、世の中に広く伝えなければ!とフィッシャーマン・ジャパンのPR作戦がはじまったのです。

縁をつなぐ仲間集め。それは着実に広がっていきましたが、世の中に広く伝える必要もあると感じていました。もともと私はヤフーで販促を担当していたので、これまで知り合ったPR関係の人たちの力を借りて、この立ち上がったばかりの小さな漁師団体の広報・PRをやってみることにしました ...

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