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ある広報人の告白

あらゆる広報の仕事は、会って話すことから始まる

プリンスホテル 竹内晃治

様々な領域で活躍中の広報パーソンに、転機となったエピソードや仕事における信条、若手へのメッセージなどを伺います。

プリンスホテル 広報部長
竹内晃治(たけうち・こうじ)

1965年愛知県生まれ。東京商船大学(現東京海洋大学)卒業後、89年プリンスホテル入社。コクド(現プリンスホテル)広報室広報課長を経て2003年から西武ライオンズで取締役広報部長、取締役事業本部長などを歴任。2015年から野球日本代表「侍ジャパン」事業会社のNPBエンタープライズに出向し執行役員広報担当。2017年4月からプリンスホテルに戻り広報部長兼西武ホールディングス広報部ジェネラルマネジャー。また、同年6月から日本パブリックリレーションズ協会理事を務める。

ホテルやリゾートから野球のプロ球団、日本代表チームと、25年にわたり様々な分野の広報業務を経験し、4月にプリンスホテル広報部長に就いた竹内晃治氏に、仕事の面白さや信条をお伺いしました。

「直接足を運ぶ」ことが基本

─広報に携わるようになったきっかけは。

海の近くで育ったこともあり、もともとは船乗りを志していました。東京商船大学(当時)に進学し三級海技士(航海・機関当直限定)の免許を取得しましたが、「ホテルと船は一緒。限られた空間でいかにお客さまを喜ばせるかだ」という恩師のひと言がきっかけで、プリンスホテルに入社。軽井沢プリンスホテルのフロントを経て、入社3年目に当時の親会社である国土計画(2006年プリンスホテルに吸収合併)の広報課に配属されました。人との付き合いは好きな方だったので広報向きだったのかもしれません。

─広報の仕事や心構えについて、どんなことを教わりましたか。

記者に会いに行くこと、直接足を運ぶことです。駆け出しのころは、プレスリリースは午前中に作成して午後にはメディアに会いに行くよう広報室長から強く言われていました。リリース当日は新聞・通信社、テレビ各局、雑誌社、ラジオ局まで手分けして回ります。新聞社なら前線の記者だけでなく、整理部や写真部にも足を運びました。それは「プリンスホテル」と名前を正確に記載してもらうためであり、願わくは1面を飾りたいからです。

今はもちろんメールも使いますが、会えば何らかのヒントをもらえるもの。人に会って話す機会は大切にしています。

─様々な業態で長く広報に携わっていますが、その楽しさとは何ですか。

広報はアイデアと工夫次第で大きな反響を得るなど成果につなげることができる仕事です。記事が掲載され、それを社員の家族が見れば皆のモチベーションが上がります。やらなくても誰にも叱られないかもしれませんが、やれば皆が幸せになる。それが広報の楽しさです。知り合った記者の皆さんと、しばらく経ってから違った場で会える時にも喜びを感じますね ...

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