様々な領域で活躍中の広報パーソンに、転機となったエピソードや仕事における信条、若手へのメッセージなどを伺います。
運転支援システム「アイサイト」などユニークな取り組みが注目されるSUBARU(スバル)の岡田貴浩広報部長は、宣伝やマーケティングのキャリアが長い。「目線は営業」と話す岡田氏に、広報の仕事の面白さについて伺いました。
広報と宣伝の境目がなくなった
──広報の仕事に携わるきっかけは。
宣伝や商品企画などマーケティング関連の仕事が長く、広報についてはほぼ未経験のまま2014年に部長に就きました。マーケティング推進部は国内営業本部のラインにあり、自分は営業の一員と思ってきたので、広報への異動は意外でした。
今振り返ると、2011年頃から宣伝と広報の境目がなくなってきたと感じていました。ソーシャルメディアが台頭し、マスメディアの存在価値が問われる中で、広告ではなく広報の力で新しいことができるかもしれないと感じていたところ、それを実証する現場に来たわけです。
広報部では企業広報、商品広報、IR、社内広報を担当するほか、2015年に立ち上げたスバルネクストストーリー(SNS)推進室を兼務しています。SNS推進室では、お客さまにもっと楽しいスバルライフを提供することを目指しています。2500人のお客さまを招き、社長や役員も参加してファンミーティングも開催しました。
──宣伝と広報の仕事に共通するところはありますか。
宣伝の仕事では、時代と商品とターゲットがうまく合致しないと伝わらないと当時の上司によく言われました。広報もターゲットをよく見て、情報という商品をどのように提供したらいいのかを考える必要があります。事実をそのままリリースするのではなく、メディアと世の中にどう伝えるべきかを考えることが求められます ...