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戦略的に「買いたい」をつくった成功事例10選

猫への偏愛がユーザーに刺さるコンテンツに直結 購買を後押しする「言い訳」戦略とは

杉本亜衣氏(uniam)

ペットフード市場で、あえて猫に焦点を当ててフレッシュフードを展開する「uniamユニアム」。キャットファーストなブランド展開を実現すべく、Webサイトでは遊び心をもって、飼い主の関心を誘う仕掛けを組み込んでいる。新興ブランドによるECサイトの設計方法を、代表取締役の杉本亜衣氏が明かしてくれた。

公式サイトのトップページ。デザインやコピー、設計に至るまで、猫を愛する社内メンバーでつくられている。

昨今のペットフード市場は、購買理由の上位に、原材料・食材の安全性がランクインしているという。この事実から、飼い主によるペットへの健康意識の高まりが顕著に現れていると言えそうだ。その中でも、注目が高まっているのが「フレッシュペットフード」。一般的に流通しているドライフードとは異なり、主に「合成保存料無添加」「人間でも食べられる良質な食材」を使用していることが多い。日本では数年前に登場したペット用フレッシュフードだが、米国市場における需要の高まりは右肩上がりだという。

このフレッシュフードの需要に、国内でいち早く目をつけたのが、スタートアップの「uniam」。これまで犬に特化してつくられてきたフレッシュフードを、猫に限定してつくり始めた点も特徴的だ。

杉本氏は、猫限定のフレッシュフード専門店立ち上げの背景を次のように振り返る。「日本では2017年に猫が犬の飼育数を抜き、さらに急速にペット産業が発展する中国でも、2021年に初めて犬の飼育数を猫が抜いたといわれています。これまで犬を基点に考えられていたペットフードですが、猫独自の身体特性や食性への対応を試みて、あえてキャットセントリックなブランドを立ち上げました」(杉本氏)。

2月22日の「猫の日」にローンチした同ブランド。ECサイトも同日に公開し、ブランドの最初の商品として猫専門フレッシュフードの展開を開始した。

同ブランドの特徴は、主に2つ。まず、「猫の健康」に焦点を当て、医学的エビデンスに基づき、監修メンバーに獣医師が入っている点。そしてもう一つは、コンセプト設計から商品開発、デザインやコピー、サイト設計を担当しているクリエイティブチームが、こよなく猫を愛するメンバーによって構成されていることだ。

「獣医師による医学的な視点は専門的な話が多くなってしまうため、ストレートに伝えても、ショッパーである飼い主の方々から理解を得ることは難しいのではないかと考えます。一方、大切なペットに与える食事のことは飼い主もしっかり理解しておきたいはず。

そこで、当ブランドサイトでは、難しい商品情報を誰が読んでもわかるよう、飼い主の気持ちを理解できる、“猫愛”の強いクリエイティブチームがサイトを制作しています。彼らが遊び心をもって情報を翻訳し、商品選びが少しでも楽しくなる体験提供を行えるように意識しています」(杉本氏)。

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