2023.06.30 OPEN/FENDER FLAGSHIP TOKYO

店舗デザインはクライン ダイサム アーキテクツ。随所にギターの曲線や精巧な作りなど、フェンダーのディテールを感じられるデザインに。
ギターの代名詞的ブランドであるフェンダーが、世界初の旗艦店を東京・原宿にオープンした。本国アメリカや、他のアジア諸国でもなく、なぜ日本での初出店を決めたのか。地上3階・地下1階の路面店で提供する新たなブランド体験で重視した「つながり」とは。
2006年の表参道ヒルズのオープン以降、来春開業予定の複合型商業施設まで続々と建設が進む原宿・表参道エリア。そこに新たに街へと発信する路面店が誕生した。

店舗正面に設置されたLEDスクリーンには、イベント時に内部の様子を投影し、街にもそのムードを共有している。
2023年6月30日に原宿にオープンしたFENDER FLAGSHIP TOKYOは、明治通り沿いの商業ビル1棟を使い、地上3階・地下1階の全てにアメリカの楽器メーカーフェンダーの製品を集結させた世界初の旗艦店だ。ビギナー向けからプロフェッショナル向けモデルまで、500本以上のギターを揃え、マスタービルダーと呼ばれる熟練の職人によるカスタムメイド製品、オリジナルのカスタムオーダーなど、あらゆるニーズに答える。また、今回のオープンに合わせて高品質、適量生産、日本製にこだわった新しいハイエンドアパレルブランド「F IS FOR FENDER」をローンチ。
世界初の旗艦店を置く場所に東京・原宿を選んだ理由について、フェンダーミュージック アジアパシフィック統括のエドワード・コール氏は「日本は世界の音楽市場において重要な役割を担っており、フェンダーの豊かな歴史と伝統を発信するのに最適なエリア。また、東京は海外からもたくさんの観光客が訪れる場所で、ブランドに精通し、教養のある消費者で溢れている」と話す。ファッション、ライフスタイルなど様々なカルチャーの中心地である原宿・表参道から、現代のプレイヤーニーズに合わせたマーケティング、製品開発、サービスを展開していくことが重要だという。
アメリカをはじめ、市場がオンライン購入に傾いている一方、日本では消費者がギターを購入する前にギターショップに複数回訪れるなど、実店舗での体験を重視する傾向がある。「私自身ファッション業界出身ということもあり、消費者は経験に基づいた感情的なつながりを求めていると考えています。体験を提供し、消費者に戻すことの価値を知っています。音楽業界内での世界的なライフスタイルブランドとして、私たちは顧客にブランドとその販売ネットワークとの直接的なつながりを提供することが重要なのです」(コール氏)。