コロナ後の新たな人流をどう惹きつけるのか。新宿歌舞伎町にオープンした「東急歌舞伎町タワー」は観光立国日本におけるエンターテインメントや観光の拠点となるべく、空港直行便のバスルートを開拓し、ホテル・エンタメ施設を集中させた複合施設を選択。その戦略とは?
日本各地の主要ターミナル駅前では再開発ラッシュが続いている。日本で一番乗降客数が多い新宿駅近くの繁華街・歌舞伎町に2023年4月14日に誕生したのが、東急歌舞伎町タワーだ。2015年にオープンした新宿東宝ビルに次ぐエリア最大級の敷地面積を誇る。地上48階、地下5階建ての複合施設は、「まちの核となる新たな観光拠点」を目指して作られた。
2018年6月に東京圏国家戦略特別区域における国家戦略都市計画建築物等整備事業として歌舞伎町一丁目地区開発計画の認定を受け、翌2019年着工。国・東京都・新宿区の3者の「観光を基幹産業に」「回遊性のある観光・交流拠点の形成」「世界のエンターテイメントシティ歌舞伎町の推進」という要請を受けて、新たな歌舞伎町の賑わいを創出するホテル×エンタメ施設複合タワーが構成された。
観光拠点というニーズには、日本の多彩な大衆娯楽文化を体験できる劇場「THEATER MILANO-Za」(6~8階)、映画館「109シネマズプレミアム新宿」(9~10階)、ライブホール/ナイトエンターテインメント施設「Zepp Shinjuku(TOKYO)」「ZEROTOKYO」(地下1~地下4階)の複合エンターテインメント施設の設置で対応。
新宿ダンジョン攻略体験施設「THE TOKYO MATRIX」(4階)やアミューズメントコンプレックス「namco TOKYO」(3階)など、海外でも注目される日本らしいデジタルアミューズメント施設もある。また、シネシティ広場側のエントランス上には屋外ステージを作り、その上の屋外ビジョンも活用した広場と施設が一体となるイベントなども行える。
1階部分には東西貫通通路を作り、羽田空港・成田空港をつなぐ直行便が停車する空港アクセスバス乗降場も整備。グループ会社の東急ホテルズ&リゾーツが運営する「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」(18階・39~47階)と「HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel」(18~38階)に滞在すれば空港から直行し、新宿歌舞伎町を起点にした新たな観光体験が可能となる。
オープン直後から多くの来店客を魅了しているスポットが、2階の「新宿カブキhall~歌舞伎横丁」。新しい...