販促に欠かせないツール・手法ごとに毎号、活用アイデアが抜きんでた例を紹介。各領域の“目利き”である専門家が選んだ事例と分析を、次なる企画のヒントに。
EXPERIENCE
「いい人すぎるよ展」
今の時代、販促を担当する方なら、ほぼ全員が「SNSでの情報発信を起点として、リアル店舗やイベントへ集客・送客」と社内企画書に書いていることでしょう。しかし、毎月『販促会議』を読んでいても、本当に「成果を出す」形で実行できている方は、少ないのではないでしょうか。
今回取り上げる「いい人すぎるよ展」は、クリエイティブディレクター明円卓さんが仕掛ける企画展。表参道のPOPUPスペースで開催し、6月末の3日間で約4200人を動員しました。私も足を運んできました。
明円さんは広告プランナーの職務の傍ら、過去にもこのような企画展を実施しています。彼は一般的な物販店舗の運営事業者やメーカー・ブランドの担当者ではありませんし、「インフルエンサー」でもありません(数万人のフォロワーがいますが、本業ではありません)。これまで3つの企画展を行ってきましたが、着実に来場客数を増やしてきています。その背景は、彼のnoteを参照してみてください。
多くの小売業が「来店や集客」に苦心している中、丁寧な「SNSでの話題作り」から、「実際の行動」まで、情報と体験の設計デザインを思考し、実践されていることが垣間見えます。
インサイトの観察眼
彼のこれまでの企画展の表現は、多くの企業のマーケターが日々腐心している「インサイト」の究極の...
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