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アクティベーションツール

農業機械メーカーが、直営レストランを運営する理由

島袋孝一(J.フロント リテイリング)

販促に欠かせないツール・手法ごとに毎号、活用アイデアが抜きんでた例を紹介。各領域の“目利き”である専門家が選んだ事例と分析を、次なる企画のヒントに。

    EXPERIENCE

    ヤンマー イタリアンレストラン「ASTERISCO」

東京駅八重洲口の目の前。皆さんは、高層ビルが立ち並ぶオフィスビル街に、「トラクター」が展示されているビルがあるのをご存じでしょうか。そのビルは1977年に建設されたビルを解体・リニューアルし、2023年1月に開業した農業機械や建設機械のメーカー、ヤンマーの東京支社。佐藤可士和さんが関わったことでも話題となっています。

オフィスビルだけではなく、同社グループが運営する飲食店や物販店舗も併設されており、一般のお客さまも食事や買い物を楽しむことができます。今回、小山薫堂さん監修のお米を楽しむレストラン「ASTERISCO」でランチをしてきました。

B2Bが直接接点を持つ時代

数年前までは、B2B企業が生活者と直接接点を持つことは、稀有な事例だったように感じます。私がかつて勤めていた飲料メーカーも、生活者との基本的なコミュニケーションチャネルはマスメディアや小売・飲料店を通したものが主流でした。しかし、全国にある「直営生産工場」を整備することにより、一般のお客さまが「見学」できるようにしたり、期間限定の直営POPUPを開催したりすることで、生活者にブランドの世界観を体感してもらう機会が多くなってきました。五感を通した体験で、情報過多な時代の中で深く記憶に残る機会を創出しています。

しかし、今回取り上げた事例はその一歩先を行っている、と...

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