EC市場が成長しているのはもちろん日本だけではない。日本国内で新規顧客の獲得が難しくなり、海外に目を向ける企業も増加している今だからこそ知っておきたいのが、海外ECモール事情だ。現在、越境ECで最も市場性があるとされている東南アジアを中心に、AnyMind Japanの久保銘中氏が解説する。
もちろん海外でもEC市場は急速に拡大しています。さらに、日本では人口の減少や物価上昇が著しいため、海外市場への進出を考える企業も増えている状況です。
このような越境ECの需要が高まっている昨今において、日本国内の企業がおさえておきたいのは、販売チャネルとして主戦場となりうる海外のECモール事情です。
AnyMindは、EC/D2C領域を中心としたブランドの戦略設計、生産管理、サイト構築・運用、物流管理など、EC運営における課題をワンストップで支援するプラットフォーマー。世界13か国19の拠点を有していますが、現地からの情報を鑑みても、越境ECにおいて今、最も市場性の高い地域がASEANに属する東南アジア10ヵ国です。総人口は6億を超え、次なる巨大マーケットとして注目されています。
市場性の高さで優位をとるインドネシアの特徴
東南アジア諸国の中でも、現在最も市場性が高いと言われているのがインドネシア。AnyMindでも、インドネシアへ越境ECで進出したいという相談は急増しています。
インドネシアに注目が集まっている理由は、第一に人口です。前述のとおり、東南アジア諸国のマーケットの規模は6億人と言いましたが、インドネシアはそのうち約2億7000万人、単純に東南アジア人口の45%以上を占める計算です。
また、他に要因として考えられるのはデジタルやECへの親和性。現在、インドネシアでは30歳未満の人口比率が5割超。デジタルネイティブ世代の人口が日本と比較しても桁違いに多いことも、越境ECでインドネシアが選ばれる要因です。
物流の特殊さもインドネシアでECが隆盛している理由のひとつ。インドネシアは複数の小さな島々で構成されていて、物理的に店舗へアクセスすることが難しいことも多いです。地理的な問題を考慮しても、ECを通じた商品の購入・販売が効率的な購買の手段として需要が高まっており、需要に合わせて独自の物流システムも進化を遂げています。
東南アジアで使われる3つの主要ECモール
東南アジア市場の特徴については前述のとおりですが、ここからは実際に現地で使われているECモー...