コロナ後さらに利用企業が増え、多くのブランドがひしめくECモール。その中で埋もれないブランドになるために必要な工夫とは、どのようなものか。EC化率が50%を超えるアパレルブランドのEC担当者に話を聞いた。
2019年より始動したアパレルブランド「MAISON SPECIAL」。他にはないデザイン性の高い商品がファッション感度の高い層に刺さり、立ち上げから4年で年商35億円を実現している。
ショッピングモールへの出店も一部あるものの、メインは路面店。また、ブランドの立ち上げと同時にEC販売を開始している。その理由をMAISON SPECIALを運営するPLAY PRODUCT STUDIO EC事業部の福田省吾氏はこう語る。
攻略法1
自社の特性を生かしたECモールの活用
「商品はもちろん、内装や空間といった多くの要素でブランドの世界観を体現できるのが路面店の強みだと思っています。当社には『なんとなく洋服を買いに』というよりは、『MAISON SPECIALのアイテムを買いに』来るお客さまが多い。そういった顧客の特性も考慮しての路面店展開です。ですが、路面型ビジネスは来店客数が限られていることも事実。ECモールも同時に開設することで、幅広い利用者に対して認知拡大を図る狙いがありました」。
また、ブランドが始動した2019年3月時点ですでに国内EC市場の成長が著しかったこともあり、ローンチと同時にECに注力。ネット通販でしかアパレルアイテムを購入しない層への訴求も考慮していたという。その後、2022年3月~2023年2月ではEC売上前年比132%(自社、モール含む)及び、EC化率50%を達成している。
また、着心地の良さとこだわりを担保しながら、手に取りやすい価格帯であるのもMAISON SPECIALの特徴。とがったデザイン、かつ中価格帯であるため、唯一無二のファッションアイテムでありながら買い求めやすいというギャップも好評の理由だ。また、ほかにはないデザインの独自性からリピーター率が高く、そういった層も手軽に購入できるECサイトをよく利用しているのだという。
攻略法2
ファッション感度が高い層に刺さるサムネイル
今ではデザイン性の高いアイテムを多く販売するMAISON SPECIALだが、ローンチ初期は幅広いターゲットに向けて汎用性の高いアイテムを販売していた。しかし、運営していく...