リアル店舗での接客と比べて利用者とのコミュニケーションが希薄になりやすいECモール。そのような中で購入され続ける秘訣とはどのようなものなのか。各ECモールでアワードを多数受賞している澤井珈琲に話を聞いた。
鳥取県や島根県を中心に都内でも直営店を運営する澤井珈琲。年商50億円を売り上げる同社では、その約8割をEC事業が占める。
「ECモールへ進出したのは、当社の拠点である鳥取県に有名なコーヒーチェーン店が増え始めた2002年です。自分の周りにはほとんどEC販売をしている人がいなかったため、すべて独学で開始。初めて商品が売れたのはオープンして45日経った日のことでした」と話すのは、澤井珈琲 常務取締役の澤井理憲氏。
ECページを制作しただけでは商品が売れないことを感じた澤井氏は、まずは自社商品を知ってもらうことに注力。2005年から積極的にデジタル広告を配信して認知度の拡大を図った。また、そうして獲得した新規顧客との接触頻度を増やし、リピーターへとつなげている。
攻略法1
メルマガ月間50通で顧客との接触回数を確保
新規顧客との接点を増やすために同社が力を入れているのが「メルマガ」だ。リアル店舗と異なり、ECモールはコミュニケーションが希薄になりやすい。そんな中、澤井珈琲では月に50通のメルマガを配信し、一度買ってもらった利用者に「澤井珈琲」を忘れさせないことを意識している。
「コンビニや自動販売機では競合が24時間コーヒーを販売していて、生活者の方の目に触れることも非常に多いですよね。そういった販売形態に対抗していくためには、とにかく『澤井珈琲』の名前がお客さまの目に入る回数を増やすことが必要だと考えました。これだけの数を配信していると、メールの切り口を探すのも大変ですが、世の中の時流に合わせたものをお送りできるようニュースもチェックしています。配信頻度が多すぎると感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際の効果として澤井珈琲のECリピーター率は60%を超えています」(澤井氏)。

メルマガのPOINT
自分が送ったものに、顧客がどのような反応・アクションをとったのかを確認
➡接触頻度を増やすという第一の目的を重視しながらも、「送った先で何件が購入につながったのか」「(開封率や返信から)刺さった内容だったのか」を計測。
件名の先頭部分で「いま買う理由」...