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常連になりたくなる まちの愛され店舗探訪

広告会社出身の三代目がリブランディング 成増に根づく老舗質店

成増 谷口質店

多くの常連客に愛されている街中のお店を訪問。顧客とのコミュニケーションや店頭販促の工夫を探ります。

リブランディングでロゴを新調
二代目から継いだ中古楽器販売
宣伝に効果ある電柱広告は残す

リブランディングしたロゴの入る前掛けをかけて店内に立つ三代目店主の谷口大地氏と両脇に立つ父親の邦夫氏及び母親の泉氏。一家総出で店を支える。

東武東上線の成増駅から徒歩5分ほど、商店街のはずれにあるのが「谷口質店」。戦前、滝野川で店を構えていた初代店主の谷口釡二郎氏が1947年、疎開先の成増で改めて開店したのがはじまりだ。現店主の谷口大地氏は釡二郎氏の孫にあたる。大学卒業後は広告会社で営業職に就いていた。

しかし、二代目である父親の邦夫氏の時代、店の番頭格だった高齢の店員が退職したのをきっかけに2008年、実家に戻った。父の元で修業し、2020年に店を継いだ。そこまで12年かかったのは「地域の金融支援という質屋の業態上、年齢を重ね40代ぐらいになっていた方がお客さまに対して信頼が増すという点も考慮しました」と言う。

大地氏が継いで一番に取り組んだのは店のリブランディングだった。外部のデザイナーに依頼してロゴを新たに制作し、前掛けや暖簾、名刺まで新調した。「検討段階ではコンセプトを新しい方向にするかどうか迷いました。しかし結果としては、信頼と伝統を重視して『谷口』の『谷』の字をデザインしたロゴをつくりました」と大地氏は語る。

広告宣伝費と媒体も見直した。初代の頃から地元における存在感も意識して長く続けていた成増駅の看板広告はやめた。しかし、駅前から店まで30本ほどある電柱広告は残した。事実、駅から...

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