新聞販売店から業態転換 近隣と共に全国から郵送受付 撮影サービスなどでファンづくり

オリジナル包丁が壁に並び、研ぎ台のある店頭。店内は店主伊勢氏の趣味の登山に寄せて山小屋風。彼が撮影した山岳写真の映る48インチの特大モニターも目立つ。
JR西荻窪駅南口から歩いて約5分、商店街を抜け住宅街に入りかける神明通り沿いにあるのが「研ぎ小屋キレット東京本店」。包丁研ぎとオリジナル包丁を販売する店だ。
店主の伊勢真彦氏は杉並区や練馬区で長く新聞販売店を経営してきた。部数減少の中、網戸の張り替えや庭木の剪定など新たな読者サービスを模索し、ニーズと依頼頻度が高い包丁研ぎに注目したという。基本をプロ講師の下で学びその後は独学で技を身に付けた。
コロナ禍の影響もあり新聞販売店を2020年で廃業し、21年3月から「研ぎ小屋キレット東京本店」をオープンした。「包丁研ぎを依頼する余裕のある顧客層の居住地域と人通りのあることを条件に店舗の場所を探し、たどり着いたのが西荻のこの場所でした」と語る。開店するまでは仲間の新聞販売店の販促イベントとしてその店頭で実演を行ってきたという。
伊勢氏がこだわるのは手作業での包丁研ぎ。価格は、牛刀・三徳・菜切りなどの洋包丁が880円、割込包丁・土佐包丁などの和包丁が1100円(13cmまで)。一本あたり15分から1時間ほどで研ぐので多くの場合、当日受付・返却が可能。店舗への持ち込みの他、レターパックによる郵送や、店を開く前に行っていたのと同様、仲間の新聞販売店頭での...