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常連になりたくなる まちの愛され店舗探訪

創業111年を誇る浅草橋の老舗畳店 toCを意識して業態転換

金井畳店

問い合わせが入るWebサイトの工夫 オリジナル畳を開発・販売 畳普及のワークショップも開催

金井功氏は四代目。金井畳店当主として手縫いでの畳製作を先頭で引っ張るとともにオンラインショップの開設やワークショップ実施に至るまで大車輪の活躍ぶりを示す。


JR浅草橋駅から歩いて約5分、下町の問屋街にあるのが金井畳店。明治44年創業で現当主の金井功氏は四代目。新潟の畳店で生まれ育った曽祖父が東京に出て浅草橋に店を構えた。その後、祖父、父から自身まで皆、浅草橋で生まれ育った。「小さい頃から将来の夢を尋ねられると『四代目になる!』と答えて祖父や父を喜ばせてきました」と功氏は笑いながら語る。

功氏は高校卒業後、職業訓練校で基本技術を学んで店に戻った。しかし帰ってくると自らの部屋はなく、与えられたのは作業場2階の窓もない部屋。自宅の風呂も使えず近所の銭湯に通う修業時代をおくったという。

先代までの商売はBtoBが主で、長年つきあいのある企業の社宅や不動産会社を通じた内装が主な仕事先だった。しかし生活や住居の洋風化が進み、従来のやり方では商売が先細りになるばかり。2005年、本来忙しいはずの年の瀬が暇だったことで「これはまずいことになりそうだ」と功氏は気がついた。

そこで新たな顧客を開拓すべく、まだ周囲の同業はほとんど持っていなかった店のWebサイトを作成する決意をした。当時パソコンすら触ったこともなかったが、指導書と首っぴきで制作し1年かけて2006年11月に完成した。するとできた途端、上野で新規開店したばかりの大規模居酒屋から個室席に敷く畳の大量注文が入った。「するとWebサイトなんて...

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